大阪市内にある”中学受験”専門の個別指導塾。大阪府の高校無償化が進む中で思わぬ影響があった。

■【動画で見る】教育無償化で「教育格差」橋下徹氏が懸念「今の維新は違う方向」

進学塾クレスタ 岡田尚巳代表:高校が無償化になった分、中学受験というところにしっかりと資源を投入していこうと。いままであまりお考えになられなかった方々もすごく興味を持っていただいたり

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■中学受験をする子ども 大阪府は558人増える

こちらの個別指導塾では、この2年で生徒数が25%増えているとのこと。大阪府全体で見ても、近隣の兵庫県や京都府は前年に比べ、中学受験をする子どもの数が減っているが、大阪府は558人増えている。

この状況に専門家からは「教育格差」を懸念する声が上がっている。

大阪大学 高田一宏教授:今の制度設計ですと、お金持ちは授業料以外のところに金使うようになりますよね。そうするとやっぱり経済的な格差を拡大すると思います。中高一貫の私学に行かせる、中学校時代の学費だけで済むと、義務教育段階がお金がかかって高校が無償っていうのは変な話なんですけど、そういうことになってしまってますし。

 

■「教育無償化に所得制限を入れるかどうか 吉村さんは全部撤廃してしまった」

中学校の受験者数は兵庫と京都は減っているものの、大阪では増えていて、大阪大学の高田教授は「お金に余裕がある人は学習塾や中高一貫校に行かせる。格差は拡大し都市部の豊かな人が得する」と懸念を示している。

橋下徹氏は「高額所得者には支援金を出さないなど所得制限を入れないと、どんどん教育格差が広がっていく」と話し、維新の教育無償化に反対だと訴えた。

橋下徹氏:高田さんに僕は大賛成。僕は吉村さんとずっと意見がぶつかって見解の違いとなっているのは、所得制限を入れるかどうかなんですよ。所得制限を入れるっていうのは、高額所得者には支援金を出さないとか、もうちょっと縮小する。お金を持っている人には自分たちで負担してもらう。

橋下徹氏:僕はその思いで15年前にやったんです。高田さんが言ったように、教育無償化というものは格差是正というところをあげたんです。大阪は教育格差がものすごい固定化していたので、格差是正を打ち出して、高額所得者やお金を持っている人には自分で負担してもらう。しかし吉村さんは全部撤廃してしまった。

■「教育格差が広がっていく。維新の教育無償化には反対です」

橋下徹氏:今、年収910万円ぐらいが一つのラインになってるんです。子供が3人いて、年収910万じゃ厳しい。子供が2人でも厳しい。だから900万円を1000万円にするのか、1500万円にするか2000万円にするのか、ここは議論が必要だけど、吉村さんや今の維新がやったのは、どれだけお金を持っていても、全部支援金を出すんです。そしたらそのお金を違う方にどんどん回していって、教育格差が広がっていく。維新の教育無償化には反対ですね。

格差の是正をこれからどういていけばよいのか。

橋下徹氏:維新はなんとなく所得制限撤廃!ってやったほうが、教育支援をやっているように見えるけれど、格差を拡大させないためにはある程度のラインで支援金を少なくしていくっていう、いわゆる応能負担。

橋下徹氏:子育て世代だけじゃなくて、これから社会保障改革をやっていくときにも高齢者に対しても、お金を持っている高齢者には、負担してくださいと言っていかなきゃいけない。現役世代にも同じだから。維新は所得制限撤廃とずっと今までやってきたもんだから、吉村さん突き進んでいるけど、修正する時期に来てると思いますよ。

■「所得による条件付けはしなきゃいけない。吉村さんたち考え方を改めて」

所得の低い方にどう支援していくのかという話もある。

亀井正貴 弁護士:教育の平等化というのは非常に重要なポイントだと思いますので、その意味では橋下先生と同じ見解ではありますね。ところで国でも所得制限を撤廃しているんですよね。国がそういう判断してるんですよね。維新は(所得制限を)撤廃したということについて、どういう理由で、どういう根拠でやったのでしょうか。

橋下徹氏:これは吉村さんや横山市長がずっと大阪で所得制限を撤廃して、高校授業料だけじゃなくて、保育料とか、ありとあらゆる子育て支援策で所得制限を撤廃しにかかっているんです。でもこれ、国は誤ると思います。

橋下徹氏:高額所得者の人はたくさん税金を納めてるからサービスを受けるのも当然だっていうのが吉村さんたちの考えなんですけど、そんなことを言い出したら、高齢者の方も今まで税金払ってくれた人に、医療費から何から全部無償にするのかってことになるわけです。

橋下徹氏:ここは吉村さんたち考え方を改めて、国政全般を見ていくためには、お金を持っている人には負担してもらう。高額所得者に支援するくらいだったら、そのお金を通学費にあてられない子供とか、修学旅行とかに。私立は修学旅行とかそういう所もお金掛かる。所得による条件付けはしなきゃいけないと思う。

橋下徹氏:今、吉村さん横山さん、維新は所得制限撤廃に凝り固まってるから修正できないような状況だけど、高田さんはじめ専門家がここは修正すべきだって言っていて僕もそう思うから、どんどん言っていきます。

(関西テレビ「newsランナー」2025年3月12日放送)

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