秋篠宮家の長男・悠仁さまは、3月3日、初めて記者会見に臨まれました。去年9月に18歳・成年を迎えられた悠仁さま。男性皇族の成年の記者会見は、父・秋篠宮さま以来40年ぶりです。

記者から「緊張されていますか?」と聞かれ、微笑みながら「はい、緊張しております」と応えられた悠仁さま。冒頭、2月下旬に発生した山林火災の被災者を気遣われました。
悠仁さま:
まず御質問へのお答えに先立ちまして、現在、岩手県などで発生している山林火災により被害が生じていることを案じております。これらの火災によって、被害を受けられた方々に心からお見舞い申し上げます。また、この火災が1日でも早く収まることを願っております。
続いて、成年を迎えた抱負と決意を述べられました。
悠仁さま:
これまで成長を見守ってくださった方々や、折々に支えてくださった方々に深く感謝申し上げます。
公的な活動についてですが、大学在学中は学業を優先させていただきながらにはなりますが、少しずつ携わっていくことになると思います。周りの方々から御助言を頂きながら、一つ一つに丁寧に取り組み、成年皇族としての自覚を持ち、皇室の一員としての役割をしっかりと果たしていきたいと思っております。
長所は「没頭できること」
ご自身の性格について聞かれると「長所は興味のあることを徹底して追求することができるところだと思います。言い換えると心惹(ひ)かれるものに対して、没頭できるということです」と述べ、夏の休日にトンボを観察していると、気がついたら日が暮れてしまっていたこともよくあったと、エピソードを紹介されました。

また日常で興味があることや趣味についてはこのように話されました。
悠仁さま:
幼少の頃から昆虫には興味を持っておりましたが、最近は植物にも関心を持っています。昆虫と植物を観察していますと、虫が食べる草である食草や、生息環境、受粉などの観点で多く関連があると思います。

悠仁さま:
趣味は以前から行っている野菜栽培や米づくりです。トマトが虫にかじられてしまうことや、お米がスズメに食べられてしまうこともありますが、野菜やお米を収穫でき、それをおいしく家族で食べることができたときはうれしく感じます。

「家族は一人一人が、大切な存在である」と話された悠仁さま。
父・秋篠宮さまについては、「植物に気を掛けたり、ほこりがたまっているところの掃除をこまめにしたりと几(き)帳面でまめな一面があると思います」と述べ、スクランブルエッグを作る際には、かたさもふわふわにできるように、こだわりを見せていたと明かされました。

また、母・紀子さまについては、高校の花壇を整備するグリーンボランティアに参加するなど「アクティブな一面もある」と紹介し、姉の小室眞子さんと佳子さまについては「両親が国内や海外に出掛けているときに一緒に遊んでくれたり、本を読んでくれたりして、世話をしてくれることがありました。御料牧場に家族で行った時には、イチゴを収穫して一緒にパフェを作ったことも忘れられない思い出です」と話されました。

これまでの学校生活を振り返られた悠仁さま。「幼稚園の時にはヘビを捕まえて先生に渡そうとしたら、驚かれてしまった」と明かされました。

高校時代の思い出として、クラスでピザ窯を作り、ピザを焼いた文化祭や、沖縄への修学旅行で離島でのホームステイや海の幸のバーベキューを経験したことなどを挙げられました。
4月に筑波大学へ進学される悠仁さま。入学後は「昆虫、とりわけトンボも含めて、幅広く学んでいきたい」と話し、「課外活動にも取り組めたら、と思っております」とキャンパスライフに期待を寄せられました。
海外留学については「家族の意見もよく聞いて検討してみようと思います」とご回答。そして、結婚観については「理想の時期や相手についてまだ深く考えたことはありません」との回答に留められました。
書陵部で古典資料の補修作業ご覧に
会見に合わせて、宮内庁書陵部を初めて訪問された映像が公開されました。

2月16日、虫食いなどで損傷した貴重な古典資料の補修作業をご覧になった悠仁さま。光学顕微鏡で、補修に使う紙の繊維の太さを確認し、紙の原料となる繊維をたたく木槌を手に持ち、重さを確かめられました。

幼少の頃からご両親に、宮内庁の様々な仕事を知ることは大事だと勧められていたという悠仁さま。書陵部の専門的な作業を熱心に見学し、感銘を受けられたということです。
現在、皇位継承順位2位の悠仁さま。これまで天皇皇后両陛下や上皇ご夫妻が公務に取り組まれる姿を見たり、話を聞いたりして、大切なことを学ばれてきたといいます。会見では、「象徴天皇」と「皇室の在り方」についても、お考えを述べられました。
悠仁さま:
象徴天皇の存在につきましては、上皇陛下がお考えになってこられ、天皇陛下が先日の記者会見でおっしゃっていましたように、常に国民を思い、国民に寄り添う姿なのではないかと思います。
また、皇室の在り方につきましても、天皇陛下のお考えのもと、人々の暮らしや社会の状況に目を向け続けていくことが重要であると思います。そして、出会いを大切にして、人々の幸せを願い、気持ちに寄り添い続けることが重要であると思います。

約30分にわたり、記者からの質問にひとつひとつ丁寧に答えられた悠仁さま。成年式は、9月6日、19歳の誕生日に行われます。
(「皇室ご一家」3月9日放送)