物価高で1000円を超えるラーメンが増えつつあるなか、一風変わったラーメンが新たなブームの兆しを見せている。
“具なしラーメン”の注文増
東京・世田谷区にある人気ラーメン店「らーめんMAIKAGURA」の人気メニューは、爽やかなユズの香りが際立つ「柚子塩ラーメン」(1180円)。ところが、男性客が食べていたのは具材が1つものっていない「かけそば」(880円)だった。

男性客:
「完飲完食」です。具材ありは具材ありで、それもおいしいけど、これはこれで、MAIKAGURAの根本となる味を確認することができる。

この具なしラーメンは、もともとは5種類の小麦粉を使った自家製麺とスープを純粋に味わってもらうために販売したものだが、物価高の影響で、比較的安い“具なしラーメン”の注文が増えているという。
今回は別のメニューを注文した客:
お店に行っても1000円とかで入るのをやめたりする。(具なしは)安いというのもあるし、すごくいいかなって思います。

らーめんMAIKAGURA 一条太一店主:
色んなものの値段が上がってきて、1000円を超えるのが当たり前の中で、ちょっとでもお客さんに選択肢があるというか、選んでいただけるように「かけそば」もありだなと。日本人はラーメンをずっと好きでいてほしいという思いもあります。
人気チェーン店やコンビニでも…
一方、人気中華チェーン「ぎょうざの満洲」でも、看板メニューのしょうゆラーメンからチャーシューなどを省いた「素ラーメン・しょうゆ」を400円で販売。

さらに、コンビニ大手のローソンでは、具材をなくすことでお手軽価格にしたカップ麺「スープ激うま!」シリーズ(「札幌味噌ラーメン」「京都背脂醤油ラーメン」各238円)が売れ行き上々だという。

徐々に広まりつつある具なしラーメンについて、第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣さんは「近年、原材料費や人件費の高騰で、具材を省き価格を抑えた具なしラーメンが注目を集めている。節約志向や健康志向の高まりなどもあり、具なしの商品の市場規模が拡大していく一因になるのでは」と述べている。
今後は、新たな選択肢として具材のない料理が広がっていくかもしれない。
(「イット!」3月5日放送より)