福岡や佐賀で5つの結婚式場などを運営していた、結婚式場運営会社「アルカディア」が、2月25日に破産申請を発表しました。負債総額は40億円以上にのぼるとみられます。

「アルカディア」は2月、新型コロナ対策の助成金を不正に受給していた疑いで、元社長の大串淳容疑者らが逮捕されたばかりでした。
福岡労働局は合わせて10億円あまりの返還と、違約金約2億円の支払いを命じています。

「めざまし8」が取材したのは、今年4月に結婚式を挙げる予定だったという久留米市に住む夫婦。

見せてくれたのは、すでにサインを済ませた、式を挙げるための契約内容が記された書類です。

4月の結婚式が中止になった 夫:
あちらからの連絡は何もなく、式がなくなるという形なので、非常に困っているっていうところですね。打ち合わせした時間もそうですし、お金も費やしているし、それがなくなるという状態になっていますので、怒りがあるかなと。
おさめたお金はどうしても回収したいところはあるんで、消費者センターに連絡したり動いてみたけど、回収は難しいかなというのが現実かなと。

問い合わせを行ってはいるものの、アルカディア側から何も連絡がないため、支払い済みだった前払い金の30万円の返還については、現状どうなるか分かっていないと話します。

さらに、被害はそれだけではありません。
4月の結婚式が中止になった 妻:
遠方から来る人たちを呼んでいたので、飛行機のキャンセルとか宿泊施設、新幹線、どうしようと思って。とりあえず謝罪しなきゃって感じだったんですよね。
(アルカディアに)説明はさすがにして欲しいなというのはあります。
「明日からできません」スタッフも驚がく
会社内部は、どのような状況だったのでしょうか。
アルカディアの結婚式場で約4年間アルバイトスタッフとして働いてきた女性は、スタッフにとっても突然の破産申請だったといいます。

アルカディアの結婚式場で働いていたスタッフ:
正直、結婚式場って幸せな場所っていうのもありますし、お客さんとかも結婚して、今から家庭を築いてやっていくぞってやって、友人とかも呼んでいる方もいらっしゃると思うので、その中で急に「明日からできません」っていうのは、お客さんもびっくりだし、こちらスタッフ側もとても驚きました。
(元社長が逮捕された時)同じバイトの方と話していて、大丈夫かな、このまま続くのか…まぁ給料も分からないところですし。でも結婚式自体は、先週土曜日の時点では普通にやっていたんで。

結婚式を挙げる予定だった人たちの払った前金や、労働局が求めている不正受給の返還などはどうなるのか?若狭勝弁護士は…。

若狭勝弁護士:
結局アルカディアの方がどれだけ資産、あるいは現金預金を今持っているかということなんですが、破産申請をして破産が認められる場合というのは、ほとんどそういった払えるだけの資産がないとか、現金預金もないことがほとんどなので。
労働局が求めている返還なども戻ってこない、返されないということになるかと。
(「めざまし8」2月28日放送より)