金型作りの技術を継承しようと、愛知県稲沢市の豊田合成で2025年2月20日、若手従業員が技術を競う大会が開かれました。
豊田合成で年に1度開かれる大会には、豊田合成の各部署やグループ企業での予選を勝ち抜いた17人の若手従業員が出場しました。

金型とは、プラスチック樹脂などを流し込み部品を生産する型のことで、豊田合成では、レクサスのフロントグリルなどの金型を生産しています。

選手たちは鉄の塊にあいた穴を指定された大きさまで、のこぎりやヤスリで削り、その正確さを競います。
許される誤差はわずか0.02ミリです。手作業でわずかな誤差に収めなくてはならないとても精密な作業で、削った部分が平らになっているかどうかも審査の対象です。

最年少で入社3年目の千賀太陽さん(20)は、大会に向け2024年10月から練習を続けてきました。
千賀太陽さん:
姿勢だったり肘の位置だったり、先代たちが築き上げてきたポイントを教えていただいて、ようやく作品が作り上げられるようになりました。

日本人だけではありません。金型歴3年目でタイから出場のパドゥンキア・ヘルンヤさん(33)は、前回大会の入賞者です。
パドゥンキア・ヘルンヤさん:
今回は優勝するためだけに来ました。
会場には、所属の部署などの想いが詰まった応援旗も掲げられ、選手たちは仲間の想いも背負い、真剣な眼差しで磨き続けます。

豊田合成人材育成センターの相地政登部長:
各会社の応援旗のレベルが毎年上がってきていまして、自分の職場の選手だということですごく応援していただいていて、ものづくりを通じて心がつながることがこの大会の大きな意味かなと。
技術だけでなく熱い想いも次の世代へ…モノづくりへの情熱を持った人々によって、日本の製造業は支えられています。
(東海テレビ)