2024年12月27日に、南米・チリの観測所が発見した小惑星「2024YR4」をめぐって新たな展開がありました。

2月18日、アメリカ航空宇宙局(NASA)は、小惑星「2024YR4」が2032年に地球に衝突する確率が、当初の1.2%から3.1%に上昇したことを明らかにしました。

SNSの声:
怖い報告だ。地球に衝突するリスクはわずか1カ月で2倍に 確率がますます悪化している。映画「アルマゲドン」みたいな事が起きる時が来た。

最新の研究で、地球に衝突する確率が3.1%に上昇したと公表された小惑星「2024YR4」。
惑星の直径は約40mから90mと推定されていますが、問題は衝突時のスピード。
海外メディアによると、時速約6万4000kmに達すると想定され、地球の大気圏に突入した場合、空中爆発し、広範囲に被害が出る可能性があるといいます。
衝突の可能性がある地域は、東太平洋、南米北部、アフリカや南アジアなど。広い範囲で、1億人以上が衝突の危険にさらされているというのです。
2013年にはロシアに隕石落下…1200人以上が負傷
2013年には、ロシア・チェリャビンスクに隕石が落下しました。

この時は、半径100kmにわたり被害が及び、1200人以上が負傷しました。
この隕石の大気圏突入前の大きさは、推定で直径17m。
今回の小惑星は、直径で最大5倍以上の大きさがあると推定されており、甚大な被害が予想されます。
今後、映画の世界のような出来事が実際に起きてしまう可能性はあるのでしょうか。
また、地球をどう守っていくのでしょうか?
「衝突確率3.1%」高い?低い?
日本スペースガード協会主任研究員で、JAXA美星スペースガードセンターで小惑星の観測業務も行っている浦川聖太郎さんに解説していただきました。

日本スペースガード協会 浦川聖太郎氏:
衝突確率が3%に近くになったのは2000年以降で2例目と珍しい事例です。
3%という確率をどのように捉えるかは人それぞれで、みなさん生活の中で3%ってなにかなと考えていただければいいと思います。
私は、F1が好きなのでマックス・フェルスタッペンがリタイアする確率とほぼ一緒ですね。

MC 谷原章介:
かなり低いですね。
堀池亮介アナウンサー:
2024年12月に発見されたこの小惑星、地球に衝突する確率が2月18日に3.1%に引き上げられたんですけど、さきほど1.5%にまた下がったという情報が入ってきました。

日本スペースガード協会 浦川聖太郎氏:
当初の1.2%と同様なんですけど、1%以上になるとアラートが出ます。天文学者の人は警戒しましょうというので、まだ1%を超えているので警戒中です。
古市憲寿氏:
今後も確率はコロコロ変わっていくんですか?

日本スペースガード協会 浦川聖太郎氏:
多少変わると思いますが、観測ができるのが5月上旬までです。その期間で100%になるというところまでは行かないです。
2028年に次の観測チャンスがあります。観測データを増やさないとデータが集まらないので、去年の12月に発見されて、今年の5月上旬までの短い観測期間では確定まで至らないということです。
次は2028年まで観測できない理由は、今すごいスピードで遠ざかっていて暗く、大きな望遠鏡じゃないと観測ができないので、観測できる望遠鏡がどんどん減っていってるということにあります。
過去のアーカイブ画像の中に映っていたりしたら、軌道がつながって、観測時間が一気に伸びて軌道が正確に定まると思われます。
軌道の変更、核爆弾で破壊…小惑星衝突回避計画
堀池亮介アナウンサー:
小惑星から地球を守るために様々な計画が立てられています。
例えば、NASAの“DART”計画です。2022年に行われたもので、直系160mの小惑星に対して無人探査機を当てて見事軌道を変えることに成功しました。
他にも、核爆弾で破壊する、宇宙船を横に着ける、小惑星に帆を取り付けるなども考えられています。

堀池亮介アナウンサー:
小惑星の脅威に備えて、中国でも動きがあります。
地球防衛チームを創設し、大卒者の募集を開始しました。業務内容としては、小惑星の監視、早期警戒方法の研修・開発などが考えられています。

日本スペースガード協会 浦川聖太郎氏:
心配な点は今のところはないです。ただ、このぐらいの未発見の小惑星はまだまだたくさんあります。なので、日々観測をして、世界中の望遠鏡で見つけていって、軌道を確定していくということを全世界で頑張っています。

MC 谷原章介:
ぜひ、観測よろしくお願いします。
(「めざまし8」2月20日放送)