高知県で行われた将棋の大一番で、藤井聡太棋王が選んだおやつが地元で話題を呼んでいる。老舗菓子店で40年以上愛され続けるチーズケーキが、全国的な注目を集める契機となったのだ。

緊張の対局、癒しのひとときに地元の味

第50期棋王戦第1局が2月2日、高知県で開催された。

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対局者たちの真剣勝負の合間には、高知自慢の料理が疲れを癒す役割を果たした。

昼食では、先手の藤井聡太棋王が老舗旅館・城西館の「ビーフカレー」に山北みかんジュースを選択。

対する後手の増田康宏八段は、同じく城西館が手掛けた土佐あかうしの「ローストビーフ重」を選んだ。添えられた乳酸菌飲料の「リープル」は高知県民のソウルドリンクだ。

藤井棋王、地元の名物チーズケーキに舌鼓

さらに注目を集めたのが、午前と午後に2回設けられたおやつタイムだ。

県内の逸品スイーツが集められる中、藤井棋王が午後のおやつに選んだのは「コミベーカリー」の「窯出しチーズケーキ」だった。

高知市に店を構える老舗「コミベーカリー」は、1969年に「こみ製菓」として創業。ケーキだけでなく150種類以上のバラエティ豊かな総菜パンが人気を博している。

その中でも藤井棋王が選んだチーズケーキは、地元で40年以上愛され続ける看板商品なのだ。

「え、信じられない!」老舗店、選ばれた喜びに沸く

藤井棋王のチーズケーキ選択は、コミベーカリーに大きな驚きと喜びをもたらした。スタッフの川添茉由さんは次のように語る。

コミベーカリー・川添茉由さん
連絡が来た時に(主催の)高知新聞さんの方が落ち着いたトーンで話されてるので「あ、ダメだったのかな」と思いました。でも「藤井聡太さんのおやつに選んでいただけました」と聞いて、「え、信じられない!」と思って何回も聞き直しちゃいました。

この出来事は、地元の人々にも大きな反響を呼んだ。「藤井棋王のおやつに選んでいただけて、私も嬉しい」という声や、「対局おやつで取り上げられていたのを見て初めて注文します」というメッセージ付きの注文が県外から寄せられたという。

滑らかな口当たり、プリンのような食感

藤井棋王を魅了したチーズケーキの味わいは、どのようなものなのか。高知に来てまだ2ヶ月の記者が実際に試食してみた。

金子二郎記者
すごい滑らかでケーキじゃないみたいですね。どちらかというとプリンみたい。

シュワシュワと溶けるような食感と、甘すぎず優しい味わいが特徴だ。この絶妙な口当たりが、藤井棋王に素敵なひらめきを届けたかもしれない。

(高知さんさんテレビ)

高知さんさんテレビ
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