岡山県吉備中央町の浄水場で有機フッ素化合物PFASが検出された問題です。町が公費で実施した血液検査の結果の説明会が2月16日に開かれ、住民から不安の声があがりました。

説明会は2024年、検査を受けた住民ら709人を対象に一部非公開で開かれ約160人が参加。結果の解析を行う岡山大学の頼藤貴志教授が報告しました。

(岡山大学疫学・衛生学分野 頼藤貴志教授)
「土壌調査からも想定される通り、PFOAの値が高いという結果だった」

2023年、吉備中央町の円城浄水場から有害性が指摘されている有機フッ素化合物PFASが国の暫定目標値を超えて検出された問題。町は24年11月から全国で初めて公費による血液検査を実施し、その結果、検査を受けた約9割の人がアメリカのガイドラインで示されている指針値を上回って検出されました。

16日の説明会では、検査対象となっている7種類のPFASの中で最も数値が高かったPFOAの平均値について、円城浄水場の水を飲用した人は飲用していない人と比較して、50倍以上だったことが報告されました。

また、円城浄水場がある地区に住む人が最も高く、次いで通勤などで浄水場の水を飲む人で高く検出されたということです。

(岡山大学疫学・衛生学分野 頼藤貴志教授)
「半減期(数値が半分になる期間)は5年かかると言われているのでなかなか1年で下がることはない。体内のPFOAの数値が高くて心配だと思う。時間はかかるが下がるのを待つしかない」

PFASの健康被害について国は明確な基準を定めておらず、町は5年後に再度血液検査を実施する方針を示していますが、説明会に参加した住民からは不安の声が多く聞かれました。

(参加した住民は)
「自分自身のさほど不安はないが子供たちの濃度が高いことが10年後、20年後に子供が出産した時にその子どもに影響がないのかなどがいくら数値(の説明)を聞いても不安は全然消えない」
「今後のことが大事なので少なくとも町がどれだけプランを持って対応できるかということに尽きるので、物足りなさは感じられた」

頼藤教授は今回の結果や住民が水を飲用した期間などを調べた調査票をもとに、PFASの血中濃度と健康被害との関連性を3月末までに評価したいとしています。

岡山放送
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