2月11日から12日にかけて新潟県上越市でイノシシに突進され、男女3人がケガをする人身被害があった。3人を襲ったとみられるイノシシは12日に地元猟友会などによって駆除された。一方、イノシシの生態に詳しい専門家は、大雪が降るとイノシシの人身被害は増加傾向にあると注意を呼びかけている。
“イノシシ”突進で3人ケガ…地元猟友会などが駆除
2月12日午前11時半すぎ、上越市三和区で80代男性が体長約1mのイノシシに突進されケガをした。
その前日にも、この現場から数百m離れた場所で60代の男女がイノシシに手足をかまれる被害があった。いずれも同じ個体と見られている。

被害が相次ぎ、市や警察・地元の猟友会が警戒する中、3人を襲ったとみられるイノシシを用水路で発見。
イノシシの逃げ道を塞ぎながら対応にあたるが、連日の大雪によってイノシシの逃げた用水路の状況が見えづらく、捕獲作業は難航。それでも地元の猟友会などと連携し、イノシシを駆除した。

地元の町内会長は、「安心。このまま生きていれば、また被害に遭う方がもっと増えるかと思うので」と安堵した様子を見せていた。
“雪”が苦手なイノシシ…遭遇したときの対処法は?
一体なぜ、被害が相次いだのか。
クマやイノシシなどの生態に詳しい長岡技術科学大学の山本麻希准教授は大雪との関連を指摘する。

「大雪が降ることによって除雪をした雪が道路の脇に1m以上高く積まれている状態。イノシシは足が短いので、すごく雪が苦手。1度道に出てきてしまうと山に帰れない」
新潟県内では大雪となった2020年度にもイノシシにより9人がケガをしている。

では、イノシシに遭遇した際、どう対処すれば良いのか。
山本准教授は「(対策は)高い所に登るか、あるいは塀の後ろ、木の後ろ最初の初速でぶつかられると大ケガになりますので、物陰に隠れることを勧めている」

また、イノシシは指などを噛みちぎる力があるため、イノシシに襲われた際には、クマの防御姿勢とは異なり、体を丸めるような形で急所を守ることが重要だ。
(NST新潟総合テレビ)