世界陸連はトランスジェンダーや、男性ホルモンの値が高い女子選手の出場資格を制限するための協議を始めました。
世界陸連が2023年に定めた規定では、男性として思春期を過ごしたトランスジェンダーの選手に女子のカテゴリーでの参加を認めないほか、男性ホルモンの値が高い女子選手に、定められた期間中、テストステロンの値を一定レベル未満に下げることを義務付けています。
こうしたガイドラインについて世界陸連は10日、より厳しい制限を検討するための協議を開始したと発表しました。
理由については科学や法律、スポーツに関する最新の動向を反映するためとしており、世界陸連のコー会長は「女子競技の完全性を維持することは陸上の基本原則だ」とコメントしています。
この問題をめぐってはアメリカのトランプ大統領がトランスジェンダー選手の女子競技への参加を禁止する大統領令に署名し、コー会長はSNSで「明確で曖昧さのない方針を確立することが重要な第一歩だ」と支持する姿勢を示していました。
コー会長は来月実施されるIOC=国際オリンピック委員会の会長選挙で有力候補とみられています。