一面に広がる巨大なゴミの山。この異様な風景が広がっていたのは、日本人旅行者の間でも人気が高いタイのリゾート地・プーケット島。

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白い砂浜とエメラルドグリーンの海が広がるプーケットで一体、何が起こっているのかーー。

「処理能力を超えたゴミが発生」

エメラルドグリーンの海の中を見てみると…ペットボトルや空き缶などが散乱している。

それらのゴミが大量に漂う中で魚が泳いでいた。

2年前に、プーケットに夫婦で移住した日本人男性はゴミをめぐる現状をこう嘆く。

2023年からプーケットに移住・たけこちさん:
いわゆるオーバーツーリズムによって、プーケットの行政が処理できる能力を超えたゴミが今発生してしまっている。

海のすぐ近くに見られたのは、ゴミがうずたかく積み上げられた場所。
ここは島に1カ所しかないゴミ集積所で、毎日約1100トンのゴミが送られてくる。

しかし、1日に焼却できる量は約700トンなので、単純計算で、残りの400トンが処理されず、連日積み上がり続けている。

副市長「ごみ問題は危機的状況を招く」

“ゴミの山”の近くで暮らす住民たちは、深刻な“異臭”に悩まされていた。

この家ではゴミが発する悪臭を抑えようと、空気清浄機をつけっぱなしにしたため、1カ月の電気代が約2倍の2万7千円に跳ね上がったという。

さらに生後3カ月の幼い子どもについては、生まれてから一度も家の外に出したことがないと
いう。

幼い子どもの母親:
子供には外で遊んで欲しいわ。空気を吸ってほしいの。家の前までも出ていないから。

なぜアジア屈指のリゾート地プーケットが、ゴミだらけになってしまったのか?

2023年からプーケットに移住・たけこちさん:
日本と同じように何曜日に回収されるみたいな決まりがなかったり、ゴミの分別がきちんと行われていなかったりする。

日本人にも人気の観光スポット・パトンビーチで、毎年恒例となっている年越しのカウントダウンイベント。

その翌朝には、観光客が捨てていったとみられるゴミが散乱する様子が見られた。

プーケットの副市長は、ゴミの集積所が1年以内にはいっぱいになるのではないかとの見通しを示している。

プーケット副市長:
プーケットは急速に成長していて、ゴミ問題は危機的状況を招くことになってしまいます。

島では現在2カ所目の焼却炉が建設中だが、現地メディアによると完成するのは早くても2026年後半の予定。

少しでもゴミを減らすため、廃棄物を燃料に変えるなどの対策もとられているが、追いついていないのが現状。

2023年からプーケットに移住・たけこちさん:
地元の結構業者さんとかがボランティアで、ゴミの回収とかも行ってくれてたりするので、観光でいらっしゃる方のマナーの改善というところも早急に求めたい。
(「イット!」 1月28日放送より)