1月22日夜、JR長野駅前で刃物を持った男に男女3人が襲われ、1人が死亡、2人が重軽傷を負った。犯人は現在も逃走中で、地域には不安が広がっている。亡くなったのは長野市の49歳の男性会社員で、事件直前まで食事をしていた男性は「私がおそらく彼と最後に話したと思います。今でも信じられません。人を大切にする優しい人が、本当に悔しい」と涙ながらに語った。
「最後に話した」
亡くなった男性と7、8年前から飲み友達だったという友人は、事件直前まで一緒に食事をしていた。
友人は涙ながらに語った。
「きのう(事件直前まで)一緒に食事をしていた。昔から趣味などの仲間として一緒にお付き合いさせていただいて、週に1回ぐらいは一緒に食事をしたりして、おとといもきのうも食事する機会があって、きのうはたまたま、ちょっと早めに帰るということで。きょうから連休だったらしくていつもより早いバスで帰りました」

「いつも別れる時は気をつけて帰ってくださいねと毎回毎回言っていたけど、こういうことになってしまって。私がおそらく彼と最後に話したと思います。まさか、こういうことが起きるとは、今でも信じられません」
「人を大切にする優しい人」
友人は亡くなった男性の人柄についても語った。
「きのうはあけましておめでとうございますとか話をして、本当にいい人で周りの仲間の誕生日にプレゼントを贈ったり、人の悪口も言わないし優しいし、本当に人を大切にする人でした。子どもたちにもサッカーを熱心に教えて本当に悪いところが見当たりません」

「そんな人が…本当にふざけた奴にやられてみんな悔しがっています。本当に悔しいです」
「時間が違いさえすれば…」
友人は事件当日の様子についても詳しく語った。
「きのうはだいぶ疲れていたのでいつもよりは静かに飲みたそうな雰囲気でした。1月が結構、忙しいとは聞いてたので。午後7時50分頃に店を出ました。普段はきのうの時間帯のバスは使っていなくて、時間が違いさえすれば…」

事件が起きたのは、22日午後8時頃。長野駅前のロータリーでバスを待っていた男女3人が、刃物を持った男に襲われた。亡くなった49歳の男性会社員は左の胸付近を刺され、複数の傷があったという。
30代の男性と40代の女性も背中を刺され、重軽傷を負った。
事件後、心配で連絡したが…
「きのう事件が起きてから一回現場を見にきました。心配でラインを送ったけど朝まで既読にならなくて、これはもしかしてと思っていたら、報道で名前を聞いて」

この事件により、地域に大きな衝撃が走っている。
長野市保健所は1月23日から、事件を受けた精神的不安に対する電話窓口を開き、相談に対応している。刃物を持った男は今も逃走中で、市民の不安は増している。
(長野放送)