長野市のJR長野駅のバス乗り場付近で1月22日午後8時頃、男女3人が刺され、男性1人が死亡した事件が発生した。犯人は刃物を持ったまま逃走中で、近くの学校や通勤・通学の人々に不安が広がっている。警察は犯人の特徴を公開し、情報提供を呼びかけている。事件発生から一夜明けた23日、現場周辺では警察官が警戒にあたり、小学校では児童の登校を見守る姿が見られた。
「子供1人では通わせられない」
事件現場近くの小学校では1月23日、警察官が見守る中、児童が保護者に付き添われて登校する光景が見られた。犯人が刃物を持って逃走していることに、保護者たちは口々に不安を訴えた。

ある保護者は「犯人が捕まっていないということで心配で付き添って来た」と語り、別の保護者は「子供1人では通わせられないし、遊びにも行かせられない」と述べた。また、「犯人が物陰から出てくるかもわからないので早く捕まって欲しい」という声も聞かれた。
半数近くの児童が欠席
長野市教育委員会は市内の小中学校76校に対し、「児童・生徒が不安を感じる場合は登校しなくて良く、その場合は欠席扱いにしない」と通知した。事件現場近くの小学校では、23日は全校児童の半数近くが登校していないという。
犯人の特徴は…情報提供の呼びかけ
警察によると、犯人は20~40代くらいでやせ型、身長165cmから175cmくらいで眼鏡をかけていたという。服装はジャンパーに長ズボンで、頭に白い布のようなものをかぶっていたという。

警察は、長野駅を利用せする通勤通学の人に現場の概要や犯人の特徴のほか、警察への連絡先などを記したビラを配り、情報提供を呼びかけている。
また、フリーダイヤル(0120-007-285、24時間受付)を設置し、広く情報を求めている。
「長野でこんなことが起きるなんて」
事件現場のJR長野駅前では立ち入り規制は解除されたが、盾を持った警察官が立ち、物々しい雰囲気に包まれていた。
現場を通った人は「長野でこんなことが起きるなんて、ただただびっくりしている。早く捕まって欲しい」と語った。また、別の通行人は「私は昨夜8時ちょうどのバスに乗ったので、もう少し遅かったら巻き込まれていたかも知れない」と恐怖を口にした。

事件は、22日午後8時ごろ発生した。駅前でバスを待っていた男性2人と女性1人が刃物を持った男に襲われ、長野市の49歳の男性会社員が左の胸付近を刺されて死亡した。複数の傷があったという。

30代の男性は背中を刺され、会話はできるものの重傷とみられている。40代の女性も背中を刺され、転んだ際に頭を打つなどしたが軽傷だという。

警察は捜査本部を設置して約220人体制で捜査を進めるとともに、市民に対して注意を呼びかけている。
(長野放送)