山形県知事選挙は1月26日に投開票が迫っている。現職と新人の候補者2人は県政課題にどのような考えを持ち、どのような訴えをしているのか。

人口減少対策と災害対応に対する主張

知事選に立候補しているのは、いずれも無所属で、5回目の当選を目指す現職・吉村美栄子氏(73)と、福島県白河市在住の自営業・新人の金山屯氏(84)の2人。

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吉村氏は、2009年の知事選で初当選し現在4期目。これまでの知事選で支援を受けた立憲・国民・共産に加え、今回初めて自民党県連の支援も受ける。

吉村氏はインフルエンザに感染し、一時選挙戦から離れたが、支援する議員や市町村長・後援会を中心とした組織力を生かし支持拡大を図った。

一方の金山氏は、福島県内で乗馬クラブの経営や執筆業を行ってきた。福島県知事選挙など、これまで9回の選挙に出馬し、いずれも落選している。

今回の出馬理由に挙げるのは「無投票の阻止」だ。さらに若者の政治への関心を高めたいとも話す。政党の支援は受けず、福島の自宅から通いながら山形市を中心に草の根の選挙活動をしている。

人口減少対策について2人の訴えを見ていく。

<吉村氏>
・子育てにかかる費用の経済的負担軽減(出産費用・保育料・高校授業料など)
・結婚支援の推進
・女性や若者の働きやすい職場づくり
・関係人口・交流人口を拡大させ、移住・定住を推進する

吉村美栄子氏:
第一のチャレンジは県民のみなさまが幸せを実感できる山形県。子育てに要する費用の負担軽減も前進させていく。

<金山氏>
・性的マイノリティのカップルを結婚に相当する関係と認める県の「パートナーシップ宣誓制度」の廃止
・その予算を出産・子育てへの支援拡充に充てる

金山屯氏:
他県がやっているから。そんな程度の気持ちで追随するように立ち上げた制度、とんでもない制度。

災害対応については。

<吉村氏>
・2024年7月の大雨災害からの復旧・復興
・防災力の強化を進める
・治水対策の推進(ハード面)
・自主防災組織の活性化や高齢者・障害者の避難対策
・女性防災士の養成など、ソフト面も含めた県土強靭化に取り組む

吉村美栄子氏:
災害に強い防災・減災にも力を入れながら、ソフト・ハードの両面から、しっかりと災害対応力にも力を入れながらこれからも取り組んでいきたい。

<金山氏>
・産学官が協力して災害への対応策を考えていく体制を築く。その上で挙がった意見をまとめて制度にしていく

金山屯氏:
どうしたら良いかを産官学で考えなさいと。みんなの考えをまとめて制度として出す。それが知事としての仕事でしょと。

交通インフラと地域創生に対する主張

続いて、交通インフラについて2人の訴えを見ていく。

<吉村氏>
・高規格道路の整備促進
・山形新幹線のフル規格化を見据えた仮称・米沢トンネル整備の早期実現
・JR米坂線の早期復旧
・災害など有事に重要な庄内・山形両空港の滑走路の延長など機能強化を図る

吉村美栄子氏:
県民の皆さんの安全安心な生活のため、山形新幹線の米沢トンネル(仮称)などの社会資本の整備促進。

<金山氏>
・県内への旅行の際に感じた高速道路の安全対策の必要性を訴える。具体的には、高速道路のトンネルの最高速度を時速50kmに引き下げる

金山屯氏:
トンネルのスピードを抑える。山形県が観光客を呼ぼうとしても、入口が危険で事故が起こったらとんでもないことになる。

地域創生については。

<吉村氏>
・関係人口・交流人口の拡大を目指し、地域資源を活用した交流(ワーケーション・農業体験など)や精神文化・自然などの体験型観光コンテンツの充実を図る
・文化・スポーツ振興
・郷土への誇りや愛着の醸成を図る学習の充実

吉村美栄子氏:
身を粉にして働いていく。みなさまなお一層のご支援を賜るようよろしく申し上げます。

<金山氏>
・観光資源の有効活用が必要
・上杉鷹山・松尾芭蕉・紅花文化など、山形の歴史を生かし誘客につなげる

金山屯氏:
投票を棄権せず、ぜひ盛り上げてほしいと願っている。あと何日かだが、声をかけ続けたいと思う。よろしくお願いします。

知事選の投票日は1月26日で、即日開票される。

(さくらんぼテレビ)

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