15日、南海トラフについてM8.0~9.0クラスの巨大地震の発生確率が「80%程度」に引き上げられた。
また首都直下地震の発生時には、約695万人もの帰宅困難者が出ると予想される。勤務先や駅、買い物中などに被災した場合は「3日間」待機することが推奨されるという。
改めて巨大地震発生時に求められる行動を解説する。

M8.0~9.0クラス地震「80%程度」に

日本はこの30年間だけでも、新潟県中越地震や東日本大震災、熊本地震など、多くの大地震に見舞われた。

この記事の画像(11枚)

青井実キャスター:
政府の地震調査委員会が発表した、最新の今後30年間での大地震の発生確率では、北海道から四国にかけての太平洋側で特に高い確率となっているのは宮城県沖で、M7.4前後の巨大地震の発生確率が80〜90%となっています。
そして、南海トラフについては、15日、M8.0から9.0クラスの巨大地震の確率を従来の「70〜80%」から、「80%程度」に引き上げました。
橋下さん、この数字をどう見ますか?

SPキャスター橋下徹:
科学的にはいろんな意見、違う意見もあるんですけど、まとめた意見として、80%ってことになってますから、これはもう全国的にしっかりと備えをしなければいけない。本当にそういう数字ですよね。

帰宅困難な場合どう行動する?

青井キャスター:
いつ起きてもおかしくないんじゃないかと考えなければいけません。
多くの人が自宅では備えをしていると思いますが、もし自宅以外で大地震にあったらどうすれば良いのか、木村キャスターが解説します。

木村拓也キャスター:
都市部で大きな地震が発生した場合、問題となるのが帰宅困難者です。東日本大震災の時には多くの人がターミナル駅などに集中し、大きく混乱しました。

この時、約515万人が帰宅困難者となりましたが、内閣府はM7.3の首都直下地震が起きた場合はさらに多い、約695万人が帰宅困難になるとしています。

家族が心配で、いち早く帰宅したい気持ちはみなさんがお持ちだと思います。
ですが、多くの帰宅困難者が出ることで、人命救助に支障が出ると想定されているんです。
スマホが使えないときの安否確認など、家族で事前に話し合っておくことが大切です。

3日間は勤務先・学校に待機

木村拓也キャスター:
では、どう行動すれば良いのか、2つのシチュエーションで見ていきたいと思います。

木村拓也キャスター:
1つが勤務先や学校、2つ目が駅にいる場合や買い物中と大きく2つに分けられると思います。
まずは、勤務先や学校で大きな地震が来た場合、帰宅することは控え、勤務先や学校に留まることが大切だと言います。
その期間は「3日間」で、これは人命救助のタイムリミットが72時間だからだそうです。3日間の待機後に、分散帰宅が求められます。

続いて、駅や買い物中に被災した場合です。2017年に東京・渋谷駅で行われた「帰宅困難者対策訓練」では、駅員の誘導に従って「近隣の一時滞在施設」に利用客が移動していました。
「一時滞在施設」とは、災害時の備蓄が行われている大型ビル、大型商業施設、高校など、決められており、事前に調べておくことが重要です。ここでも3日間は留まるということです。

「災害時帰宅支援ステーション」事前確認を

木村キャスター:
そして、帰宅する際、徒歩ということも考えられます。その際に覚えて起きたいのが「災害時帰宅支援ステーション」です。
シールが街中に貼られている場合もあります。

指定されているのは都立学校、コンビニ、ガソリンスタンド、ファミリーレストラン等があり、水道水、トイレ、情報などを提供してくれます。
こちらも事前に一度確認しておくといざというときに便利です。

青井キャスター:
東日本大震災以降、こうした備えが進んでいますが、実際に機能するのか気になります。

東日本大震災当日の東京・渋谷区の様子
東日本大震災当日の東京・渋谷区の様子

SPキャスター橋下徹:
南海トラフ地震の発生確率が80%で、これは全国的に備えなければいけませんねなんて、僕が偉そうに言ってたんですが、実は僕が知事の時に帰宅困難者対策としてやってたのは、徒歩ですぐに帰るっていうのをやってました。72時間留まるということではなかったんです。

この話も僕は後で知って、まだ知らないことだらけなんですよね。だから一時滞在場所とか、その辺はある程度頭には入ってるんですけれども、どんどん災害対策というものはアップデートしているので、行政の方からもアナウンスが必要だし、我々国民の方も自ら情報を入手していかないといけないですよね。

さらに訓練ですよ。後に分散して帰宅すると言っても、どういう順番でやるのかとか、そういうことも訓練を実際にやらなきゃいけないですよね。

1月17日は、あの時の災害がどうだったのかも教訓にして、情報のアップデートをしていく日なのかもしれない。
(「イット!」1月17日放送より)

この記事に載せきれなかった画像を一覧でご覧いただけます。 ギャラリーページはこちら(11枚)