約1900平方メートルという床面積は、木造復元された城郭建造物としては最大級である。鉛瓦や、壁面に平瓦を並べた海鼠壁など、金沢城の特徴も忠実に再現され、美観に貢献している。

追い風は国の史跡に指定

平成18年(2006)には第二期復元整備事業が開始され、翌19年(2007)、三の丸の正面に位置し、事実上、金沢城の正門だった河北門の復元が着手された。

翌20年(2008)には金沢城跡が国の史跡に指定されるという追い風を受け、平成27年(2015)には橋爪門二の門の復元も完了。

金沢城石川門(画像:イメージ)
金沢城石川門(画像:イメージ)

これはすでに復元済みの橋爪門一の門とともに枡形を構成していた。こうして、城内でもとくに堅固で「三御門」と呼ばれた石川門、河北門、橋爪門がそろうことになった。

建造物だけではない。橋爪門が完成したのと同じ平成27年には、三代藩主前田利常が城内西側の玉泉院丸に創設した、城内きっての池泉回遊式庭園が復元された。

この庭は明治期に、歩兵第七連隊や第九師団司令部などの手で、池は埋められ、築山は崩されていた。

さらに戦後は、そこに県スポーツセンター、続いて県体育館が建てられたが、平成20年(2008)に体育館が取り壊されると発掘調査に着手。その結果にもとづき、絵図などを参照して復元された。