三菱UFJ銀行の貸金庫から、金塊あわせて約20kg・時価総額2億6000万円相当を盗んだ疑いで逮捕された、三菱UFJ銀行の元行員・今村由香理容疑者(46)。

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管理を担当していた顧客の「予備鍵」などを使って、貸金庫から金塊を盗み出したあと、都内や千葉県内の7カ所の質店で換金。

それによって得た約1億7000万円を、ほかに盗んだ貸金庫の補填などにあてていたとみられており、「9月ごろに窃取したことに間違いないです」と容疑を認めています。

約4年半に渡り、60人以上の貸金庫から総額17億円相当の金品を盗んだとみられる今村容疑者。

なぜ多くの顧客の金品に手をつけるに至ったのか、警察の調べに対して以下のような供述をしています。

《今村容疑者の供述》
「長年に渡り、FX取引や競馬で多額の損失と消費者金融からの借金があった。その返済に困って窃盗に手を染めるようになった」

「お金はあるんだろうなと…」駐車場経営も

銀行の信頼を失墜させた、元行員による信じがたい犯行。
今村容疑者とはどのような人物なのか、周辺を取材しました。

練馬区の閑静な住宅街にある今村容疑者の自宅。近隣住民によると、自宅以外にも土地を所有しており、そこで駐車場経営を行っているといいます。

実際、駐車場を借りていたという人は…。

駐車場を借りていた人:
去年、おととしくらいから(駐車場代が)銀行振込になったんですね。家の方に行って支払うということがなくなったので、(今村容疑者の)様子を見ることができず、ただ駐車場に出入りする感じだったので。
駐車場も貸していたから、(今村家は)その辺の人よりはあるんじゃないかなと。お金はあるんだろうなと思ってはいたんですけど。

近隣との交流はほとんどなかったものの、お金に困っているようには見えなかったといいます。

1999年に入行した今村容疑者。2020年から江古田支店では、約2年間にわたり営業課長を務めました。さらに、2022年、練馬支店では、営業課長から営業課支店長代理へと昇進。2024年10月に玉川支店に異動後も同じ役職についていたといいます。

1月15日、今村容疑者の逮捕を受けて三菱UFJ銀行はコメントを発表しました。

《三菱UFJ銀行のコメント》
「弊行では、被害にあわれたお客さまへの対応と、全てのお客さまのご不安払しょくを最優先に対応しており、被害にあわれたお客さまの補償について、引き続き誠意を持って対応を進めております。」

若狭勝弁護士「被害の半分しか起訴できない可能性」

MC谷原章介:
このニュース、昨年お伝えした時には犯行自体は発覚していても、容疑者の逮捕には至っていなかったわけで、年が明けて(事件発覚から)2カ月くらいはたったと思いますが、これがスピード感をもってなのか、それとも(捜査が)なかなか遅々として進まなかったのか…。
いずれにしても本当に衝撃の事件でした。本来一番信頼している「銀行」だから。しかも4年半にわたって(の犯行)というのも本当に驚きです。

若狭勝弁護士:
今回(逮捕された容疑の)金塊20kgの窃取だけに絞れば、捜査はスピーディーになされたと思います。ただ、捜査の難易度を1~10と考えて、一番難しい捜査の難易度が10だとすると、今回の金塊20kgの窃取ということに限って言うと、難易度は3か4くらい。だから、そんなに難しい捜査であったとは思えないです。

若狭勝弁護士:
ただ、金塊20kg以外の現金の窃取になると、相当手間がかかってくる。場合によっては、(被害額の)17億円のうちの半分くらいしか起訴できないとか、半分以下になる可能性もあると。だから、これからの余罪の捜査は時間をかけてやらざるを得ないと思いますね。
(今回の逮捕は)金塊20kgというブツが、たまたま質屋さんとかから出てきたということもあって、捜査としてはスピーディーに進めることができたということは言えると思います。
(「めざまし8」1月15日放送より)