コーヒー豆の“歴史的価格高騰”でカフェやコーヒーチェーンなどは、値上げを余儀なくされている状況だ。人々の“くつろぎの一杯”に直撃する値上げラッシュの現状を取材した。
「30円値上げ…」苦い思い
お昼時の東京・自由が丘にあるカフェ。
人気のランチを食べたあとに待っていたのは、コーヒーだ。

客は、1杯580円(ランチセットの場合)のこだわりのコーヒーを飲んで、くつろぎのひと時を過ごしていた。
しかし、カフェの店長はコーヒーについて、苦い思いを口にする。

茶乃子 店長・齋藤大輔さん:
(去年)一番定番のブレンドコーヒーを30円値上げした。一気に上げると、今までの客に驚かれると思う。先が見えない中で少しずつ企業努力といいますか。
コンビニなど値上げラッシュ
今、歴史的な高値が続いているコーヒー豆。

コンビニ各社のコーヒー価格を見てみると、ここ3年で20円から30円の値上がり。

さらに、コーヒーチェーン店でも各社は30円近くの値上げに踏み切っている。
仕入れ値“20%~40%”高騰
値上がりによる悲鳴は、東京・目黒区にあるコーヒー豆の専門店からも聞こえてきた。
香ばしい香りが漂う店内には、世界各地から30種類以上のコーヒー豆を取りそろえている。

この店の豆の仕入れ値は、2025年に入って20%から40%ほど高騰しているという。
愛好家「値上がりしないで」
レモンやオレンジなど、爽やかな風味が楽しめるブラジル産のスペシャリティーコーヒーの値段は…。

八雲珈琲店 店長・宮澤恵治さん:
去年はこのコーヒーが200グラムで1500円、今年はこのコーヒーが1750円。1800円にしようと思ったが、50円だけ我慢しました。

毎日欠かさずコーヒーを飲むという愛好家からは「めちゃくちゃ感じてます。めちゃくちゃ感じてます!!(これ以上)値上がりしないでほしいと正直思います」と、値上がりに切実な言葉が。

高騰の背景にあるとされるのが、コーヒー大国ブラジルで起きた深刻な干ばつだ。
店側は今後、さらにコーヒー豆が値上がりするのではないかと危惧している。

八雲珈琲店 店長・宮澤恵治さん:
今までは(豆を)買えていた方が「ちょっと我慢しようかな」「月に2回買っていたけど1回にしようかな」となっているのは確か。売り上げはその分下がっている。値上げして売り上げが上がるくらいだったら簡単でいいのだが…。
(「イット!」1月14日放送より)