年明けも全国各地で火事が相次いでいるが、東京消防庁管内では、この冬も含めた去年1年間の住宅火災による死者が82人と、過去最多のペースとなっている(稲城市、島しょ部は除く)。

まもなく阪神淡路大震災から30年を迎えるが、今回「Live News days」では、火事が発生した時の「火の消し方」と「煙からの避難方法」に注目し、どう命を守るかを考える。
消火器の正しい使い方は?
まずは、消火器。
備えていても「使い方がわからない」という人は少なくない。

一般的な消火器の重さは約5kgで、放射時間は約14秒、放射距離は約3mから8mだという。
消火器が重たい場合は、床に置いて使うのが良い。

消火器は以下の3つの動作で行う。
(1)安全ピンを引き抜く
(2)ホースを外して、ノズルを火元に向ける(ホースがないものは、ノズルを火元に向ける)(3)レバーを強く握る
消火器を使う際は「姿勢を低くすること」も意識したい。なぜなら、煙は上に上がっていくので、吸い込みにくくなるという。

また、消火器を持ち上げるときは、下のレバーを持つこと。持ち方を間違えると誤作動を起こしかねないため、正しい持ち方も合わせて覚えておきたい。

万が一の時に備えて、日頃から身近にある消火器の位置を確認しておくことが重要となる。
煙からの避難方法は?
実は、火事で怖いのが「煙」だ。

煙は、炎が広がるスピードよりも速く充満し、火災による死因を見ても、逃げ遅れて一酸化炭素中毒で亡くなる人が最も多く、全体の4割を占める。

そのため、逃げる際に、腰をかがめた姿勢を取ることがポイントとなる。煙は高い方にたまるため、姿勢をなるべく低くして避難することが重要だと池袋防災館の小林さんは伝える。

池袋防災館・小林泰さん:
(煙の中には)有毒なものが沢山含まれています。姿勢を低くして、鼻と口をしっかり塞いで煙を吸わないようにする。

池袋防災館・小林泰さん:
壁に手を当てて避難することにより、その壁が道しるべとなります。
炎が小さいうちは消火できるが、炎が天井まで上がっている時は、消火することより避難を優先し、煙で前が見えなくなった場合、壁から手を離してしまうと方向を失い危険なため、壁を触りながら避難することが重要になる。そして、避難の際、炎の広がりを防ぐため、ドアを閉めることも重要だという。
火事が発生しやすいこの時期に、命を守る方法を改めて確認したい。
【執筆:フジテレビニュース制作部 林ひなの】