「土のう」と比べて、3つのメリットがある
草加市が「水のう」を勧める理由は、取り扱いが大変な「土のう」に比べて、明確なメリット
が3つあるから。
1つめは「持ち運びが不要」。
「土のう」の場合、消防署などに自分で取りに行く必要があり、しかも1袋約20キログラムあるため、運ぶのが大変。さらに、配布できる数に限りがある。
これに対し、「水のう」は、家にあるもので、しかも、設置したい場所で作ることが可能。さらに、必要な数を作ることができる。
2つめのメリットは「片づけが簡単」。
「土のう」の場合、返却ができないため、使用した後は自分で保管しなければならない。このため、保管場所に困ることになる。
これに対し、「水のう」は、ゴミ袋に入った水を流せば、片付け終了。片付けが簡単なのだ。
3つめのメリットは「再利用が可能」。
使ったゴミ袋は、乾かせば、本来の用途であるゴミ袋として使用できるのだ。

「土のう」に比べて、メリットが多いという「水のう」だが、なぜ草加市が勧めるのか?何かきっかけがあったのか?
埼玉県草加市の担当者に理由を聞いた。
草加市が「水のう」を勧める理由
――草加市が「水のう」を勧める理由は?
去年・2019年、千葉県を中心に大きな被害をもたらした台風19号を受け、草加市でも水害への備えをしっかりやっていこうと考えました。
そして、家庭でできる備えとして、「土のう」よりも「水のう」の方がメリットが大きいと考え、そのメリットや使い方、活用法を周知してもらうため、『水のうで我が家を守ろう! ~家庭での簡易水防~』と題した資料を公表しました。
――玄関前やトイレ、風呂場、洗濯機にはどのようなタイミングで置けばよい?
「水のう」は雨が降り始める前に置くのが理想です。
事前に置くのが難しい場合は、ニュースや自治体の呼びかけを参考に、水位が上がり、浸水・逆流する恐れが生じたときに置いてください。
近年は台風が相次いで接近し、ゲリラ豪雨も各地で発生している。これまでの常識が通用しない自然災害が増えている中、できる備えを早めにしておくことはより重要になってくるだろう。