今季最強寒波と日本海の海面水温がとても高い状況が原因であす10日にかけて日本海側では大雪になります。すでに積雪が短時間に急増している所もあります。九州や四国、近畿などの普段雪があまり降らない地域でも雪が積もっており、慣れない雪道運転は、避けた方が良さそうです。大雪による道路の通行止め、車の立ち往生、鉄道の運転見合わせ、暴風雪、地吹雪、海の大しけなどに警戒してください。

同じ場所で大雪が長引く

寒気は西回りで日本の上空に入って来ていて、きょうは西日本の上空1500メートル付近でマイナス12度以下と今季一番低い状況になってきています。

また、西日本から強い冬型の気圧配置になってきていて、シベリア方面からの冷たい季節風が強まっています。
この冷たい季節風と温暖な日本海からの水蒸気により雪雲が発達しやすい状況になっていて、特に今年2025年は日本海の海面水温がとても高いため、雪雲がより巨大化しやすい状況です。

そして、さらに朝鮮半島の高い山によって季節風が二手に分けられ、その風が日本海でぶつかり上昇気流が発生。発達した積乱雲の行列を作るため、同じ場所で大雪が長引く状況になっています。

10日は北海道~中国地方で60~70センチの降雪量を予想

きょう9日、12時間降雪量が30センチに達しているエリアは、福島県の会津、岐阜県の飛騨、広島県と島根県の県境付近です。
秋田県や山形県でも12時間降雪量が25センチを超えています。

この状況はあす10日も続く見込みで、大雪に対する警戒が必要です。

10日午後6時までの24時間に予想される降雪量はいずれも多い所で以下の通りです。

北海道地方     60センチ
東北地方      70センチ
関東甲信地方    60センチ
北陸地方      70センチ
東海地方      70センチ
近畿地方      60センチ
中国地方      60センチ
四国地方      30センチ
九州北部地方    25センチ

その後も各地でさらに30センチから50センチの降雪が予想されます。

このため、車の立ち往生、道路の通行止め、鉄道の運休や大幅な遅延が想定されます。慣れない雪道運転を控えると共に、雪道を運転しなければならない場合は冬用タイヤへの交換、チェーンの携行と早めの装着、スコップ、防寒着、携帯トイレ、食料、飲料水、そしてスタックした時のために乾いた砂を用意してください。

12日(日)に予想されている東京の雪については、予想がトーンダウンしていて、降らない可能性が高まっています。
雪の可能性がゼロになったわけではありませんが、降ったとしても積もる可能性は今のところ無さそうです。
三井良浩(フジテレビ気象センター)

三井良浩
三井良浩

気象キャスター、プロデューサーを経て、2024年にフジテレビを定年退職。現在、フジテレビ気象センターでシニアエキスパート勤務。モットーは、災害から国民の生命と財産を守るための情報を届ける。気象予報士。