大学入学共通テストが迫る中、東京・新宿区の大学受験予備校「ニチガク」が破産申し立てを行う予定であることが分かりました。

予備校に通う生徒や保護者がこの事実を知ったのは、年明けのこと。
入り口に張られた「破産申し立て」について書かれた紙を見て、初めて知ったと言います。

ニチガクに通っていた高校生:
私たちは冬期講習できのう朝行ったんですけど、そしたら突然こんな感じになっていたので。誰も何も知らなくて、許せない気持ちがいっぱいです。高3の人とか泣いちゃったりして。
正月休みが明けた6日には、預けていた荷物を引き取りに来る生徒の姿がありました。
「ニチガク」に通っていた受験生:
荷物を運んだり整理している時間、正直、勉強しているはずだったのにな、とは思います。

ニチガクに通っていた高校1年生:
自習の時に先輩方がみんなクッション使ってらっしゃったので、そのクッション。

苦手な科目を克服するため、2024年の夏から通い始めたという高校1年生。
申込書に書かれた授業料は、2024年6月から1年間で79万2000円。すでに一括で支払ったといいます。

また、医学部志望の浪人生だという生徒の中には、すでに400万円近く支払い済みだという人も…。個別指導の回数を増やすと、さらに授業料は高額だったといいます。

「ニチガク」に通っていた医学部志望の浪人生:
僕は個別ないんですけど、僕の妹もニチガクの方に通っていて、もう100万円払っちゃって、個別もいろいろ残っていたんですけど、それも多分返ってこないんで…どうしよかなっていう感じです。
生徒たちが支払った高額な授業料は返金されるのか?
なぜここまで生徒への説明が不十分なのか?
「めざまし8」が、ニチガクの代理人を取材したところ、以下の回答が返ってきました。

<「ニチガク」の代理人>
「現状では返金対応ができるほどの支払い能力があるか、分かりません。
生徒や保護者への説明をした上での破産手続きを推奨していましたが、対応が追いつかないほど資金繰りが逼迫していたようです」

代理人によると、返金については、今後、破産申し立てをして、管財人がついた後の判断になるといいます。
年末から“兆し” 講師「給料が払われていない」
新年に突然知らされた破産申し立て。
しかし、経営が逼迫する状況は、一部の生徒たちも気づいていたといいます。

「ニチガク」に通っていた生徒:
12月ぐらいになってから、個別(指導)の先生とかの給料が払われていないみたいな、遅れているとか。
年末にはささやかれていた「給料未払い」のうわさ。実際に勤務した講師に話を聞いてみると…。

「ニチガク」非常勤講師 森川晶雄氏:
11月と12月分の給料分の給料が払われていません。11月分の給料は大晦日に払われる予定だったんですけれども、まあこれも、払われていませんでした。
僕としてはもう、授業をする予定で準備までして行ったら、もう今後仕事はありませんって言われて。説明責任っていうのは、全くしてないじゃないですか。

それでも、講師たちにとって破産申し立ては、寝耳に水の出来事でした。
別の大学生のアルバイトが見せてくれたのは、2024年の12月にニチガク側から送られてきたというLINE。

<「ニチガク」から送られてきたLINE>
「融資実行日が遅れてしまうことになってしまいました。つきましては10月分のアルバイト代金の支払いを12月30日に変更させていただきたくお願い申し上げます。」
結局、10月分のアルバイト代は支払われないまま。
それよりも心配なのは、教え子たちの受験だといいます。

「ニチガク」大学生アルバイト:
本当に最後まで見てあげたかったんですけど、なんかこんな状態で勉強させるのも本当にかわいそうだなって。やっぱり受験生が一番かわいそう。
私たちの給料は最悪いつになってもいいんですけど、受験生が来週の共通テストだったり、負けずに頑張ってくれているのが一番かな。

生徒たちの今後について、代理人は受け入れ先の予備校を探しているものの「現在は、何も決まっていない」としています。
(「めざまし8」1月7日放送より)