台湾の半導体製造大手・TSMCは、熊本・菊陽町の第1工場について「12月に量産を開始した」と12月27日に明らかにした。連絡を受けた木村熊本県知事は2024年最後の定例会見で、「地下水への影響や排水の状況をしっかり調査し示したい」と述べた。また、TSMCの量産開始発表の当日、TKUに木村敬熊本県知事が生出演し、TSMCを含めた『今後の熊本県』のビジョンについて話した。
TSMCが「12月に量産開始した」と発表
台湾の半導体製造大手・TSMCは日本で初めての工場を菊陽町に建設し、2024年2月に開所。TSMCは第一工場について「計画通り12月に量産を開始した」と12月27日に明らかにした。TSMCは「日本の安定した先端半導体の生産拠点となり、グローバルな半導体エコシステムに貢献していきたい」とコメントしている。

木村熊本県知事は2024年最後の記者会見で、「今週ですね。JASMから第1工場が計画通り、今月量産段階に入って操業を開始したという連絡を受けました」と話し、12月23日にTSMCの子会社・JASMから量産開始の連絡を受けたと明らかにした。

熊本県では、県民の地下水保全に対する不安の声があることから、12月26日からリアルタイムで地下水位を監視できるシステムを県のホームページで公開している。

また、第1工場周辺の井戸や河川で、2023年8月から定期的に有機フッ素化合物などの法規制外の物質も含めて、環境モニタリングを実施。第1工場の操業前と後で水質の変化があるか専門家による委員会の意見も踏まえ、公表する予定だ。
「台湾やTSMCに対する約束果たせた」
いよいよ量産開始という発表があったが、木村知事はTSMC第1工場について、順調にきていると感じているのだろうか。

木村敬熊本県知事
--そうですね。TSMCが外向けに発表していたのが、(2024)年内の本格稼働ということでしたので、例えばアメリカの工場なんていうのは、日本よりも1年早く造り出したのに、まだ動いてないっていうことを考えると、やはり私たち熊本というか、日本全体が台湾やTSMCに対する約束をしっかり果たせたんじゃないかと思っています。
「第3工場は世界の未来の産業づくりに」
木村熊本県知事は2024年8月に台湾のTSMC本社に行って、第3工場の建設も要望もしてきているが、この手応えや現状の進捗はどうなのか。

木村敬熊本県知事
--第3工事は実は雲をつかむような話で、まだ第2工場の建設も年明けからということになります。第1・第2工場は日本の今まである産業のため、例えばスマートフォンだったり、自動車だったり。だた、第3工場となると日本の未来の、世界の未来の産業づくりに関係してくるので、そういう20年後、50年後、お子さん、お孫さんたちが働く場のために、熊本で新しい産業が起きるような、そのエントリーをしたいと私は思って、いま第3工場の誘致というのを、宣言しているところです。
「八代市の工業団地には必ず企業が来る」
木村熊本県知事は八代市にも県営工業団地の整備計画を発表した。TSMCの工場がある菊陽町や近くの大津町だけではなくて、熊本県南部や県全体にTSMCの効果をどう波及させていくのか。

木村敬熊本県知事
--これはしっかり波及させていかなければいけないと思っています。八代市の工業団地については、私は必ずそこに企業が来ると思っています。ただ、半導体企業とは限りません。むしろ、八代市であれば県南の良さを生かした、食品の加工とか物流とか、いろいろあるんじゃないかと思って頑張っていきたいと思っています。
--企業誘致以外でも、観光面ではいま国際便もどんどん熊本空港に増えています。2年前までゼロだったのが、今月はもう週40便も飛んでいますから、そのような状況の中で、県内にインバウンドの効果も広がっていて、「来てよかったな」という熊本にしていきたいと思っています。
(テレビ熊本)