鹿児島で車を持つ人なら誰もが頭を抱える問題がある。桜島の火山灰だ。洗車したばかりの車が、翌日にはうっすら灰をかぶっている——そんな経験を繰り返してきた県民に、うってつけのサービスが登場した。月額定額で何度でも洗車できる「洗車のサブスク」である。

県内初のトンネル型洗車機、「アトラクションみたい」

2026年3月、鹿児島市中山町にオープンした洗車専門店「スプラッシュンゴー鹿児島 中山店」。平日の午前中から次々と車が訪れるこの店舗の目玉は、敷地内に設置された全長15メートルの大型洗車機だ。

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「トンネル式で連続洗車機といいます。3分で洗車が終わる」と話すのは、同店代表の上山洋輔さん。ベルトコンベアで車をゆっくり前進させながら、約3分間で洗い上げるこの洗車機は、鹿児島県内では初登場となる。

実際に体験してみると、進み始めた直後から目の前にブラシが現れ、車体をみるみる包み込む。周囲の景色が次々と変わっていく様子は、まるでアトラクションのような感覚だ。

1時間に最大60台、待ち時間を大幅短縮

一般的な洗車機は車を1台ずつ洗う仕組みのため、1時間に洗えるのはせいぜい9台ほど。しかしトンネル型の連続洗車機は、車が次々と流れる構造のため、1時間に最大60台を洗うことができる。待ち時間の大幅な短縮につながるのは明らかだ。

火山灰が降るたびに洗車したくても、長い列に並ぶのが億劫で後回しにしてしまう——そんな悩みも、この仕組みなら解消できる可能性がある。

月額980円から、何度でも使えるサブスクが鍵

この店舗のもう一つの大きな特徴が「洗車のサブスク」だ。月額980円から契約でき、期間中は何度でも洗車機を利用できる。

利用者からは「月額で何度でもできるというのは魅力」「きょうは待ち時間がなかった。4月は4、5回来た」といった声が聞かれる。頻繁に洗車が必要な鹿児島の気候風土にマッチした料金体系だといえる。

鹿児島の洗車需要は群馬の1.7倍

スプラッシュンゴー鹿児島 中山店によると、洗車機の需要は本社がある群馬県と比較して、鹿児島は1.7倍にのぼるという。桜島を抱える土地柄が、データにも如実に表れている。

上山代表は「火山灰が降っても雨が降っても、いつでも洗車ができる洗車場を目指したい」と語る。今後もサブスク利用者の増加を見込んでおり、地域のニーズに応えるサービスとして定着させていく考えだ。

洗車のサブスクという新しい選択肢が、桜島とともに暮らす鹿児島県民の日常を、少しずつ変えていきそうだ。

(動画で見る▶洗車したばかりなのにまた灰が 鹿児島で広がる「何度でも洗える」サブスクの正体)

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