2024年10月に行われた衆議院解散総選挙で獲得議席が公示前の4倍となる28になったことで存在感が増している国民民主党。党を切り盛りする榛葉賀津也 幹事長(参議院静岡選挙区選出)が単独インタビューに応じ、玉木雄一郎 代表が不倫問題で役職停止となる中で自身の役割などについて語った。(#1・#2から続く)

国民民主党が果たすべき役割

-年が明けて通常国会が始まる中で国民民主党が果たしていく役割はどんなところですか?

国民民主党・榛葉幹事長:
いま衆議院では与党が過半数持っていませんから、ある意味、我々のまっとうな意見を与党が呑まないと予算も法案も通りません。少数与党だから「与党を揺さぶってやれ」ではなくて、少数与党だからぜひ自民党さん・公明党さんには「謙虚に良い政策を実現してください」とボールを投げる側なので。

野党というのはたまに暴投を投げて「取ってみろ!」と言って、「取れねぇじゃねぇか!」と言うことがあるんですけれど、我々はしっかり取れるボール、でも「このボールを取るとしんどいな」、でも「取れば国が良くなるな」と。今までの政治を変えるチャンスだと思うんですね。今までは自民党の中で、例えば税制の場合、インナーと言って鉄のカーテンのこちら(内)側で何やっているかわからないけれど、終わったら「はい、これです」と。

我々は全部可視化して、国民の皆さんに「こういう過程です」という政策の中身のみならず、プロセスを見せていく、そういうことを実現しながら国民を巻き込んで政策実現していく。そういうことを次の国会でやっていきたいし、日本の政治を大きく変えるチャンスだと思っています。

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衆院選の躍進を“まぐれ”としないために

-2025年というと参議院議員選挙があります。今回の衆院選での躍進をまぐれだと世の中から言われないように、思われないようにするために、国民民主党がやっていくべきこと、求められていることというのはどんなところでしょうか?

国民民主党・榛葉幹事長:
まさに税制や通常国会で具体的な政策を実現していく。「国民民主党は言ったことを全部でなくても、1つ1つ確実に前に持って行っているよね」という達成感や「自分たちも政治に参加しているんだ」という実感を国民の皆さんに持っていただいて。

103万円(の壁)は多分満額回答はすぐ出ないと思います。我々は満額回答求めるためにやっていきますが交渉事なので、これからまだどうなるかわかりませんが、常に満額に近づける努力をこれからずっと続けてやっていくと同時に新しい政策をまた提案して、1つ1つ国民に政局ではなくて政策実現のワクワク感ドキドキ感を感じてもらいながら、この勢いを継続もしくはさらに大きくしていって、参議院選挙でも勝ちたいと思っています。

-参議院選挙で具体的な目標や今後の党としての短期的なビジョン、そして長期的なビジョンはいかがお考えでしょうか?

国民民主党・榛葉幹事長:
地方選挙がありますから全国に我々の地方議員を作って、地方議員というのはやっぱり党の土台ですから、全国政党として。

今度の衆議院選挙で一番良かったのは北海道から九州まで、すべてのブロックで国会議員が誕生した。従って、本当の国政政党になれると思っています。これに地方議員の力を足して、そして参議院選挙。

やっぱり権力の源泉は参議院なんですよね。日本は二院制で、衆議院で通ったものを参議院で通す。つまり、参議院が通らないと法案にならないんですよ。どうしても衆議院が目立ちますけれども、実は長年国会議員やっていて、多くの先輩たちからいかに参議院が大事かということをずっと教わってまいりました。ですから、この出口の参議院を我々が衆議院同様に、衆議院ほどバブルが起きづらいんです、参議院っていうのが。全県(選挙)ですし、全国(比例)ですし。

ただ、やはり全国比例を今の倍増はしたいと思っています。いま3人ですから、これを6人・7人・8人と、全国比例はだいたい1人当選する100万票ですから、前回(2022年)約316万票、それで3人通りました。今の支持率ですとこれは上回れると思っているので、2桁に近づけるように我々頑張っていきたい。

1人区はなかなかしんどいです。野党がそれぞれ出るとどうしても与党が有利になりますが、それでも出せる1人区は出していきたいし、複数区では必ず取りに行きたいと思っていますから、短期的にはそれを頑張りたい。

中長期的には憲法とか安全保障、エネルギー。安心して我が国の力を蓄える、失われた30年を取り返すためには消費力、可処分所得を上げて、国民の手取りを増やしていく。そして、日本経済全体を大きくして、エネルギーの安定供給のもとで“ものづくり国家”日本としてしっかりともう1回よみがえっていく。

そのためにも人材ですよね。少子高齢化に歯止めをかけると同時にひとりひとりの若者たちの教育力を高めていって、我が国の科学技術や宇宙、サイバーといった問題でもう一度、科学技術立国として日本を強くしていく。

そして、そのベースになるのが我が国の安全保障。東アジアを中心に極めていま、危ない状況になってきています。韓国がああいう状況になって、日米韓の信頼が今後どうなっていくのか?中国、ロシア、北朝鮮は全て核保有国です。ですから、南西諸島や台湾海峡は本当に危ないと思っているんですよ。だから中国にそういうことをやらせない抑止力をしっかり持って、まず我が国の安全保障をしっかりやった中で、さっき言ったようなエネルギーの安定供給やものづくり、科学技術立国、そういった我が国の力を強くしていく。それをしっかりと中長期的にはやっていきたいと思います。

-国政政党である以上は最終的には玉木総理を誕生させたいですか?

国民民主党・榛葉幹事長:
当然です。玉木ももう50半ばですから(現在55歳)50年待っていられないので、玉木が還暦になる前には玉木を総理にしたいなと。我が党だけで過半数を取るという目標もあれば、これから日本の政界は変わると思います。私は野党再編や与党再編があると思っているので、いろんな意味で先の衆議院選挙で日本の政治の地殻変動が起きたと思っているんですよ。これからもっと変わると思っています。

その1つの原因はやっぱりSNSですね。マスコミが提供したコンテンツだけを見るのではなくて、プラス自分たちが思ったコンテンツを直接社会に訴えたり、政治家と個人がダイレクトでつながりますので、これで大きく日本の政治やメディアが変わってきたと思うので、私は既存のメディアが悪いとか古いとか無くなるとかはないと思います。ですから既存のメディアと個々のSNSの媒体、これがミックスされて全く新しい情報社会になるんじゃないですか?それにどう政治が絡めるのか、これによって大きく日本の政治も社会も変わっていくと思いますね。

(テレビ静岡)

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