知事の突然の辞職に、女性問題の責任を取っての衆議院議員辞職。さらには自民党の裏金問題に伴う離党勧告…そして政界引退。2024年、静岡の政界はこれまで以上に激動の1年となった。

知事が突然の辞意表明

川勝平太 知事(当時)
川勝平太 知事(当時)
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2024年、静岡は県政においても国政においても激動の1年だった。

新年度早々、川勝平太 知事(当時)が突如として辞意を表明。

川勝知事(当時)は「一番大きかったのはリニアです。私は、4期目はリニアの南アルプストンネル工事から南アルプスの水と生態系・環境、こうしたものをいかに守るかということに心を砕いて参りました」とリニア中央新幹線をめぐる問題に区切りがついたと強調したが、4月1日に行われた県庁の入庁式で、「静岡県庁というのは別の言葉で言うとシンクタンクです。毎日毎日野菜を売ったり、牛の世話をしたり、あるいはモノを作ったりということと違って、基本的に皆さんは頭脳・知性の高い方たちです」と職業差別とも受け取れる発言をしたことが影響したのは誰の目にも明らかだった。

女性問題をきっかけに議員辞職

一方、同じ4月には自身の女性問題が週刊誌に報じられることになり宮澤博行 衆議院議員(当時)が辞職。

宮澤博行 衆議院議員(当時)
宮澤博行 衆議院議員(当時)

宮澤氏と言えば、自民党の裏金問題をめぐり「はっきり申し上げます。しゃべるな!しゃべるな!これですよ」(2023年12月)「派閥を介錯する!安倍派を介錯する!」(2024年1月)との“迷言”を残し一躍注目の人となったが、最後は自らの不祥事が仇となった。

宮澤博行 元衆議院議員
宮澤博行 元衆議院議員

永田町を去った宮澤氏は最後に「欲…欲ですね。欲を抑えきれなかったといいますか、そこに負けてしまった結果だなという風に思っておりまして、そこのところは反省をし続けなければいけません」との“迷言”を口にしている。

裏金問題で政界引退に追い込まれ

塩谷立 衆議院議員(当時)
塩谷立 衆議院議員(当時)

また、裏金問題によって政治家人生が一変したのが安倍派の座長を務めていた塩谷立 元衆議院議員だ。

自民党から下されたのは除名に次いで重い離党勧告処分。

塩谷立 衆議院議員(当時)
塩谷立 衆議院議員(当時)

無所属で活動を続けたものの、9月になって「あくまでこれからの地域、浜松のことを考えた上で今回引退して、新しい形で今まで積み上げてきたものを地域に貢献できればという思いで決断した」と次の選挙に立候補しない考えを明らかにし、政界引退に追い込まれた。

与党過半数割れの中で国民民主党が躍進

国民民主党(静岡4区)田中健 衆議院議員
国民民主党(静岡4区)田中健 衆議院議員

迎えた10月の衆議院解散総選挙では与党が過半数割れ。

県内でも8つある小選挙区の議席を与野党が4つずつ分け合う形となった。

こうした中、今回の衆院選で台風の目となったのが国民民主党。

県内唯一の与野党一騎打ちとなった静岡4区を制するなど、党全体の獲得議席数は公示前の7から28へと大きく躍進した。

そして、この国民民主党で玉木雄一郎 代表(役職停止中)の右腕として 党運営を取り仕切っているのが榛葉賀津也 幹事長だ。

国民民主党・榛葉賀津也 幹事長
国民民主党・榛葉賀津也 幹事長

榛葉幹事長は衆院選の結果について「やっぱり他の野党が政治とカネで自民党批判に集中する中で、我々は安易な批判をする選挙ではなく具体的な政策に特化しようと、それが103万円(の壁)だったんですね。その103万円を愚直に訴えていく途中で(街頭演説に)人がものすごく出てき始めたんですよ。『あれ?』と。『これ波が来てるな』と。野党第一党は『政権交代』と言うけれども、我々の衆院選前(の議員数)は7人ですから、政権交代ではなくて『我々の政策をいまの与党に呑ませるんだ』『現実的な政治やるんだ』と、これを愚直に訴えたのがやっぱり良かったんじゃないかなと思いますね」と振り返る。

今後のさらなる勢力拡大に向け

ただ、課題が多いことも認識していて、「圧倒的過半数以上が新人議員ですから。(衆議院で)政治経験があるのは元々7人ですからね。これから新人をどう教育していくのか、そして即戦力としてどう育てていくのか。そして今度は参議院ですね。この参議院と地方組織。これがやはり党の土台になりますから、この地方議員をどうやって増やしていくかということが1つの大きなテーマだと思います」と話す。

“代表不在”の中で課された役割

国民民主党・玉木代表
国民民主党・玉木代表

また、国民民主党をめぐっては玉木代表が不倫問題により役職停止処分となっているが「当然、不快に思われたり、『許さない』『もう国民民主党、玉木はダメだ』という人は正直います。それはもう彼が背負わなければならないし、党に対する失望・批判は幹事長の私が受けなければならないと思います。ただ、私はどんないい時もつらい時も玉木を支えるのが私の役割なので、すべてを甘受してしっかりと遠心力がないように、もしくは失望を与えないように政策実現を頑張る。

いまのタイミングは税制改正をやっていますけれども、これからとても大事な時期だと思います。多くの皆さんは『玉木、こらっ!』『何やっているんだ!』と。でも『絶対に政策は実現するんだぞ』『あきらめるな』という声が多いので、いま、まさにやっている103万円の壁を178万円まで持っていけるように、まさに交渉の真っ最中なので、それをやりきることで失望を信頼に変えたいと思っています」と影響が出ないようにするのが幹事長の務めと気を引き締める。

年明けには新年度予算案などを審議する通常国会が召集され、その真価が問われる。

(テレビ静岡)

テレビ静岡
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