こうしたミスの背景には、特有の生きづらさも関係している。先にも触れたとおり、グレーゾーンは発達障害の診断基準の一部しか満たしていないかもしれない。

“苦手で難しいこと”があるのは同じ

ただ、発達の問題で苦しんでいるのはどちらも同じ。発達障害には次のような“苦手で難しいこと”があるが、グレーゾーンであっても同じように苦しんでいるという。

【ADHD】(注意欠如・多動性障害)
・不注意が多い、忘れっぽく集中できない
・多動性があり、じっとしていられない
・衝動性があり、考える前に行動してしまう

コミュニケーションが苦手だったり(画像はイメージ)
コミュニケーションが苦手だったり(画像はイメージ)

【ASD】(自閉症スペクトラム障害)
・言葉や視線、表情、身振りなどでのコミュニケーションが苦手
・他人への興味が薄く、気持ちや状況を理解することが苦手
・特定の事に強い関心やこだわりがある
・音やにおいなど、感覚の過敏さがある

文字の読み書きに苦労することも(画像はイメージ)
文字の読み書きに苦労することも(画像はイメージ)

【LD】(学習障害)
・文字や文章を読み、意味を理解するのが難しい
・文字を書くのが難しい、時間がかかる
・計算や推論をすることが難しい 

「職場に言えない」生きづらさ

グレーゾーンはこうした“苦手で難しいこと”があっても、「発達障害」と診断されたわけではないので、周囲に打ち明けにくい。また、社会に出てから気づくこともあるため、職場で言えなかったりすることも多いという。

心身が疲弊してしまうことも(画像はイメージ)
心身が疲弊してしまうことも(画像はイメージ)

社会に無理に適応しようとして、心身が疲弊してしまうことも。「うつ病・不安症・依存症」などの二次障害を発症することもあるそうだ。

「グレーゾーンは努力をしているのに周囲に理解されにくい、配慮されにくいところがあります。そういう意味では、発達障害とは違った苦しみかもしれません」