新潟県と福島県を結ぶ磐越道。対面通行となる2車線区間が多いことから早期の4車線化を目指している。その4車線化工事で建設中のトンネルが初めて貫通し、工事関係者や地元の人たちが貫通を祝った。国道49号の代替道路としての働きや、災害時の交通網の確保に期待がかかる。
4車線化急ぐ磐越道 工事中初のトンネル貫通!
11月28日に貫通したのは、4車線化を目指す磐越道の宝珠山トンネルだ。
この記事の画像(11枚)1997年に全線開通し、今もなお新潟県内を中心に多くの区間が対面通行の2車線道路となっている磐越道。通行量が限られる上、幅員も狭いため、事故のリスクが高い状態が続いている。
また、下道の国道49号は大雪の際に立往生が発生したこともあり、代替道路を確保する必要がある。
国は2019年に「高速道路における安全安心計画」を策定。
高速道路の安全性、信頼性や使いやすさを向上するため、
〈1〉時間信頼性確保
〈2〉事故防止
〈3〉ネットワークの代替性確保
の3つの課題を挙げ、おおむね10年から15年程度での4車線化を目指す「優先整備区間」を選定した。
この優先整備区間に、磐越道の安田ICと会津若松ICの間の71.4kmの区間が選定され、4車線化の工事が進んでいる。
硬い地質に苦労もようやく貫通!地元からも喜びの声
この4車線化の事業を進める上で初めて貫通した宝珠山トンネルは、安田ICと三川ICの間にあり、全長は631mに及ぶ。
ICT技術を駆使しながら、2023年の5月に掘削が始まったものの、事前に調査していた時より硬い地質の区間があり、1日に1mしか進めなかった時期もあったというが、1年半をかけてようやく貫通した。
新潟県阿賀町の神田一秋町長は「これによって人との結びつきや地域との結びつきをより一層進めていけると思っている」と話した。
完成はまだ先?「とにかく早く効果の実感を…」
また、NEXCO東日本新潟支社新潟工事事務所の齋藤克己所長は「とにかく早く4車線化の効果を実感していただけるように頑張っていきたい」と今後の事業への決意を語った。
NEXCO東日本は4車線化に向け、今後、宝珠山トンネル内の舗装・敷設工事などに着手するほか、別のトンネルの掘削工事を開始する予定だ。
ただ、NEXCO東日本新潟支社が管轄する安田ICから西会津ICの間では、9つのトンネルの掘削工事が残っているほか、1区間の工事がまだ事業許可がおりておらず、優先整備区間の4車線化の完成はまだ時間がかかりそうだ。
(NST新潟総合テレビ)