まず「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」という本能に訴えかける言葉を使って相手を認めてあげることが大事です。
「そうだね、なるほど、君は凄いね」と褒めてあげて、その後でポイントを討論すればいいのです。相手を認めてあげれば、相手にもこちらの言葉に耳を傾ける姿勢が整います。

これは家庭でも会社でも同じことです。親は子どもを否定してはいけませんし、上司は部下を否定してはいけないのです。
ついでに言えば、部下の立場からすると、上司に嫌われないようにするためには、まず「わかりました」「なるほど」「そうですね」と肯定すればいいのです。そうすると、上司は部下が自分のことを理解していると判断します。上司にかわいがられると出世率が全く違ってきます。
この原理を知らないまま、「そうですか?」「それは違うのでは?」などと否定的な返答をすると、上司は面白くありません。当然、部下に対する見方もネガティブになってしまいます。これは脳科学的な一つの現象です。
意識的にポジティブな言葉を口にする、否定語は決して使わないというのには、そういう理由があるのです。
自分を守るための言動をしない
しかし、そういう局面になると、つい口を突いて出てしまうのが否定語というものです。
これは自己保存の本能が人間にあるからです。自分を守るために自分の窮状を訴えるのですが、これは難しいこと考えたくないというのとよく似ています。
悪事を働いた人が詭弁を弄してでもなんとか逃れようとするのも、自己保存の本能によるものです。昨今の国会議員の言動などを見ていても、それがよくわかります。