東京都の美しい紅葉スポットとしても知られる、多摩湖。
その周辺に点在する、廃墟となったホテルに、今、無断侵入やゴミの不法投棄などが相次いでいるといいます。

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近隣住民:
夜中に仲間と4~5人で来る。警察に連絡をして「不法侵入している方がいますよ」ということで。夜中物音がするので、騒ぎ声も隣なので聞こえますし、やはり迷惑かかってるなという形ですかね。

近隣住民:
ちょっと歩いたらゴミがあっちこっちに置いてあると、やっぱり嫌じゃない。 気分も悪いし。

相次ぐ迷惑行為に、近隣住民だけでなく“廃墟ホテル”の所有者も怒りをあらわにしているといいます。
現場で何が起きているのか?「めざまし8」が独自取材しました。

不法侵入…破壊行為や火の不始末で火事も

都が選ぶ「新東京百景」の一つに数えられる多摩湖のすぐ近くに点在する、廃業してから10年以上がたち、廃墟と化したホテル。

その中の一つを、撮影用のレンタルスペースとして運営・管理する会社の担当者よると、 “肝試しスポット”としてSNSで拡散されたことで、不法侵入が相次いでいるといいます。

東大和市の“廃墟ホテル”を所有する会社の担当者:
鍵が壊されたりとか、そういう被害が、来るたびに見受けられます。

建物のなかを案内してもらうと…、目に入ってきたのは壁の落書き。

東大和市の“廃墟ホテル”を所有する会社の担当者:
ちょっとした一室なんですけど、これも結構荒らされた跡が…。例えばこういう落書きはありますね。

さらに、“タバコの吸い殻”とみられるものが所々に落ちていました。

東大和市の“廃墟ホテル”を所有する会社の担当者:
所々ありますね、吸い殻が。侵入した人が喫煙して、この物件で何かボヤ騒ぎがあったりというのは、怖いかもしれないですね。

不法侵入者によって引き起こされる火事への不安…実はその“最悪の事態”は、すぐ近くにある東京・武蔵村山市の別の廃墟ホテルで起きていました。

武蔵村山市の廃墟ホテル所有者:
もう怒りでしかないよね。
その瞬間、瞬間、楽しくてしているのはいいけど、エスカレートしていくのが、言い方悪いけど子供だからね。

そう話すのは、今年8月、武蔵村山市にある廃墟ホテルを購入した男性。
自身が経営する土木工事会社の資材置き場として活用するため、廃墟の解体やゴミの撤去をしようと手配を始めた矢先のことでした…。

武蔵村山市の廃墟ホテル所有者:
ホテルの事務所だったところ、全焼ですね。
消防車が4台くらい来て、消火したみたいですね。夜、少年が入って肝試し的なことをしているという話があった。
周りが緑地だから、燃え広がって山火事にならなくてまだよかったけど…。木も燃えている跡があるじゃないですか、実際。

男性によると、今年9月、深夜に何者かが、この廃墟ホテルに侵入。
その後、敷地内の建物一棟が全焼する火事が起きたといいます。

警察は、少年2人の犯行と断定し、現在2人から、任意で事情を聞いているといいますが、この火事の影響で、“燃え殻”が大量に発生。解体費用は、当初見込んでいた額の1.5倍の1500万円にのぼる見込みだといいます。

自治体が対策するもやまない“不法投棄”

問題は廃墟内だけではありません。
武蔵村山市と東大和市の2つの市にまたがって点在する“廃墟ホテル”周辺には、不法投棄によるゴミの山が。

テレビや洗濯機などの家電ゴミが大量に投棄され、敷地外の道路にもはみ出しています。

どちらの市も、管理する道路を定期的に車でパトロールするなど、対策を講じてきましたが、近隣住民によると、人目につかない深夜を狙った不法投棄が、今も後を絶たないといいます。

近隣住民:
やっぱり(不法投棄は)夜中が多いですかね。人通りもありませんし、車も夜中はほとんどここは通らないので。

こうした現状を受けて、地域の団体と協力しごみの撤去活動を行ってきたという男性は、それでもやまない不法投棄に憤りを口にします。

不法投棄の清掃を行っている近隣住民:
我々も地域住民として、森を保護していこうという形から不法投棄、ごみなどの撤去を全般的にやっています。
やはり許せないですね。やっぱり、こういった環境の中で捨てられていくのは…。我々地域住民としても非常に困りますし…。
(「めざまし8」11月26日放送より)