料理にお風呂、洗濯など、人々の生活に欠かすことのできないインフラ・水道。
そんな水道の料金について、千葉県が大幅に値上げする方針であることが判明、熊谷知事が21日の千葉県議会で明らかにした。
対象となる人口は約308万人で、千葉県全体の半分近くに及ぶという。
千葉県全体の半分近く…2026年度めどに値上げ幅2割程度
値上げは、千葉県の県営水道が供給する地域。
2026年度をめどに、値上げの幅は2割程度という方針が示されている。

水道料金2割値上げの対象となるのは、市川市・鎌ケ谷市・浦安市の全域に加え、千葉市や船橋市など8市の一部地域も含まれる。

対象となる人口は約308万人で、千葉県全体の半分近くに及ぶことになる。

対象地域である千葉・市川市では、住民から「えー!!一気にですか。主人がものすごく水道使う。アライグマより洗ってると思いますよ」、「節約って意識はあっても、洗い物を途中でやめるわけにもいかない」、「(湯船にお湯張るのを)2日にいっぺんとか。小さいことだけど少し節約して」などの声が聞かれた。
物価や人件費の高騰、水道管の老朽化への対応
千葉県はこれまで28年間、水道料金を据え置きしてきた。

今回、異例の2割値上げの方針を示した理由として、物価や人件費の高騰、老朽化が進む水道管への対応などを挙げ、このままでは3年後に赤字になるとの試算を示している。

しかし、この水の値上げ方針は、飲食店にとっては死活問題につながりかねない。
人気ラーメン店は月の水道代14万円…死活問題に
市川市内にある、背脂のコクとまろやかな風味が特徴の人気ラーメン店「二九八家 いわせ」では、スープや麺をゆでるほかにも、あらゆる場所で使われるため、月の水道代は14万円にも及ぶという。

二九八家 いわせ・岩瀬良店主:
スープを冷やす水の量を若干減らしたりとか、節水してますね。いきなり20%(上がる)っていうのは正直びっくり。つらいですね。

今回、県が示した2026年度の水道料金値上げ方針は、現実のものとなるのだろうか。
22日、千葉市の神谷俊人市長は「数年間の財政計画を検討する中で、一定の上げ幅を伴う料金改定を行わざるを得ないのではないかと思います」と述べた。
名古屋市や岐阜市、浜松市などでも値上げの方針
実は、水道料金の値上げ方針は、千葉県だけにとどまらない。

愛知・名古屋市では、2025年10月にも、単身世帯平均で月460円から500円程度の値上がりとなる方針が示された。

さらに、岐阜市や静岡・浜松市などでも、2025年からの値上げの方針が示されているほか、山口市では2025年4月からの値上げが決定している。
生活に欠かせない水道料金の値上げの波は、全国的な動きへとつながっていくのだろうか。
(「イット!」11月22日放送より)