極度の緊張に包まれたというショートでは、ミスが続きまさかの21位でキスクラでは涙を流していた。

しかしフリーで意地を見せた岡田は、『マレフィセント』を力強く表現し、今季の岡田らしい質の高い演技で、フリーは124.79点で3位に。

総合8位と大幅に順位を上げ、劇的な展開で全日本出場を勝ち取った。

メダルを掲げる(左から)和田、島田、櫛田
メダルを掲げる(左から)和田、島田、櫛田

【女子】
1位 島田 麻央(木下グループ)201.32点
2位 和田 薫子(グランプリ東海クラブ)190.17点
3位 櫛田 育良(木下アカデミー)189.52点
4位 中井 亜美(TOKIOインカラミ)180.83点
5位 上薗 恋奈(LYSインカラミ)180.69点
6位 村上 遥奈(木下アカデミー)177.59点
7位 岡 万佑子(木下アカデミー)176.78点
8位 岡田 芽依(名東FSC)174.51点

躍動した女子ノービス勢

全日本選手権には選出されていないが、今大会で輝かしい成績を残したノービスの2選手も紹介。

ノービスA1年目の宮﨑花凜が大ブレイクした。

ショートでは去年の『チャルダッシュ』で会心の演技を披露する。冒頭3回転ルッツー3回転トゥループの連続ジャンプを華麗に決め、ガッツポーズも飛び出した。

60.60点をマークし、ショートで6位となり、フリーで最終グループ入りを果たした。

キスクラで喜びの表情を見せる宮﨑花凜
キスクラで喜びの表情を見せる宮﨑花凜

迎えたフリーでも弾ける演技で会場を魅了する。3回転ルッツなど高難度ジャンプを含む7つのジャンプを全て着氷させた。

自己ベストを10点以上超える112.17点をマークし、全体9位で終えた初の全日本ジュニアの舞台。「両方ノーミスできたことが信じられない感じ」と素直な喜びを語った宮﨑。

「上手なお姉さんたちと一緒にできて、今後にもつながるんじゃないかなと思いました」と話す宮﨑は、今後トリプルアクセルの習得にも意欲を見せる。

全日本ジュニアでも盤石の強さを見せた金沢純禾
全日本ジュニアでも盤石の強さを見せた金沢純禾

もう一人は、今年10月の全日本ノービスで3連覇を達成した金沢純禾だ。

ノービスラストの金沢は、2度目の全日本ジュニアで盤石の強さを見せる。ショートは片手側転が見どころの『カンフーパンダ』。

加点のつく出来栄えでジャンプを全て成功させ、スピン3つ全てで最高評価のレベル4を獲得する。

7位で折り返したフリーではミスはあったものの、冒頭の高難度ジャンプを完璧に決め、笑顔で演技を終えた。来季のジュニアデビューに期待したい。

【男子】中田璃士が初優勝

男子は上位8名が全日本選手権へ推薦された。

昨季世界ジュニア銀メダルの中田璃士が、逆転で大会初優勝。

ショートは2位発進となった中田璃士
ショートは2位発進となった中田璃士

ショートはステップやスピンで取りこぼし77.92点と2位となるが、フリーでは「4回転トゥループは自信があったので自信をもっていけました」と話すように、冒頭の4回転トゥループを高い加点で成功させる。

念願の初優勝を飾った中田璃士
念願の初優勝を飾った中田璃士

3回転アクセルが1回転になる以外は大きなミスはなくまとめて総合で1位になり、家族が守る中で念願の初優勝を飾った。

父の中田誠人コーチは涙しながら中田を抱きしめ、会場も大きな拍手が響いた。

本田真凜さんとハイタッチする中田璃士
本田真凜さんとハイタッチする中田璃士

今年の目標に三冠王を掲げる中田。

まずは一冠、そして2週間後に控えるJGPファイナルの活躍も期待したい。

ショート演技後ガッツポーズを見せる高橋星名
ショート演技後ガッツポーズを見せる高橋星名

2位はジュニアグランプリファイナル出場を決めている高橋星名。