雪国・新潟で南国のフルーツ・バナナの栽培が進んでいる。栽培に挑戦しているのは、新潟県柏崎市の産業廃棄物処理業を営む企業。栽培を始めて5年が経つ中、今後の展望とは…完熟すれば、皮ごと食べられるというバナナ栽培の現場を取材した。

1本約1000円!皮ごと食べられる“越後バナーナ”

柏崎市で産業廃棄物処理業を営むシモダ産業。この会社の敷地内に並んでいたのは、農業用ハウスだ。

20℃以上に保たれているハウス内には、多くのバナナの木が植えられている。

農業用ハウスの中にバナナの木!
農業用ハウスの中にバナナの木!
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2019年からバナナの栽培を始めているシモダ産業。育てたバナナは『越後バナーナ』と名づけられ、1本約1000円で販売され、ふるさと納税の返礼品にもなっている。

超高級バナナだが、栽培を始めてから5年が経過し、事業は軌道に乗っている。

越後バナーナ
越後バナーナ

この日は栽培開始5周年を記念したイベントが開かれていた。

出席した人も越後バナーナを試食し、「すごくおいしかった。食べやすい」「一般的なバナナと比べて全体的に違うのは甘みと食感。食感はねっとりしていて、筋が全然ないのでなめらかな食感」と大絶賛!

越後バナーナは一般的な輸入バナナに比べ、木の上で長く育ててから収穫するため、皮が薄く、糖度が高いのが特長だ。

“南国のフルーツ”なぜ雪国で栽培可能?

しかし、なぜ南国のフルーツが雪国の新潟で栽培できるのか…その秘密はハウスの中にあった。

ハウスの中には配管が通っていて、ここから廃棄物を処理する際に出る熱がハウス内に放出される。

配管から熱を放出
配管から熱を放出

これによりハウス内の温度が20℃以上に保たれ、一年中おいしいバナナを育てることができるという。

1年を通して栽培されるバナナは年々収穫量も増え、5年目の今年は、年間2万5000本収穫される予定だ。

今後は…「シモダファームで地域に活力を」

そして、シモダ産業が今後見据えるのは、シモダファームエリアの創出だ。

今後、越後バナーナを使ったお菓子を開発し、販売店舗の設置なども目指す考えだ。

シモダ産業の霜田真紀子副社長は「おいしい越後バナーナを作り続けるのはもちろんだが、越後バナーナを通じて地域との循環を生み出して地域に活力を与えられるようなそういったシモダファームを目指している」とさらなる事業の拡大に向けて意気込みを語る。

雪国発のバナナには大きな夢が詰まっている。

(NST新潟総合テレビ)

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