現地時間19日、中国で多数の児童が車にはねられ負傷する事件が起きた。ここ最近、人の集まる場所や公共の場所での殺傷事件が後を絶たないが、フジテレビ国際取材部長の山崎文博は、その背景に「低迷する経済、貧富の格差に対する社会への報復がある」と指摘する。
小学校の前で児童が無差別に車にはねられ…
中国・湖南省の小学校で多数の児童が車にはねられ、けが人が出た。

事件発生直後の現場を捉えたとみられる動画には、助けを求め、学校の敷地内に逃げ込む児童らに加え、路上に倒れこむ人たちの姿も記録されていた。

事件があったのは、現地時間の19日午前7時半頃。現場は、中国・湖南省にある小学校の前だった。

中国国営テレビは、複数の児童が車にはねられけがをしたと報じているが、けが人の数などは分かっていないが、これまでに日本人が巻き込まれたという情報はない。

また、SNSに投稿された動画には、車を運転していたとみられる男が周囲の人たちに取り押さえられる場面や、警察官が男に手錠をかける様子が記録されていた。

男が取り押さえられた直後の動画には、事件を起こした男に市民が「みんな普通の子どもなのに、どうしてこんなひどいことを…」「やつを殺せ!やつを殺せ!」などと怒りを浴びせる音声が収められていた。この動画はSNSに投稿された直後に削除され、閲覧できなくなった。
中国公安当局は男を拘束したと発表した。
相次ぐ背景「低迷する経済、貧富の格差」
このところ、人の集まる場所や公共の場所での殺傷事件が後を絶たない中国だが、無差別に市民を襲う事件が相次ぐ背景には、一体何があるのか。
フジテレビ国際取材部長の山崎文博は「低迷する経済、貧富の格差が大きな背景にある。仕事をしても給料が出ない、仕事がないという不満が、社会への報復という形で事件につながっている」とした上で、「弱い子どもを狙った事件、無差別な事件が起きているところに、中国社会が抱える問題の根深さ、深刻さがある」と指摘した。
(「イット!」11月19日放送より)