2024年のプロ野球ドラフト会議で埼玉西武ライオンズから指名を受けた金沢高校の齋藤大翔選手。石川県からは5年ぶりとなる1位指名を受けた選手の素顔に迫った。

ライオンズからドラフト1位指名

齋藤大翔選手は仮契約の席で「いよいよ自分のプロ野球選手としての人生がスタートするんだなという実感が湧いてきました。自信のある守備力とスピードを生かして少しでも早くチームの戦力となれるように頑張っていきたい」と語った。

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10月のドラフト会議で埼玉西武ライオンズから1位で指名を受けた金沢高校のショート齋藤大翔選手。県内からのドラフト1位指名はヤクルトの奥川投手以来5年ぶりだ。齋藤選手の持ち味は何といっても高い身体能力を生かした守備力。そして勝負強いバッティングに、50m6秒ジャストの走力も兼ね備える。

夏の大会前、進路について齋藤選手は「プロ一択で。小さいころからずっとプロ野球選手が夢で高校入った時からプロになるために練習してきたのでプロ、行きたいです」と語っていた。彼の良さについて、野球部の武部佳太監督は「脚力とか肩の強さとか、身体能力的なものもあると思うんですけど、一番は野球に対してひたむきに、取り組めるところかなと思います」と話す。

3年間、甲子園出場は叶わなかったものの地道な努力が認められ、ドラフト前にはプロ野球全12球団と面談を行うなど注目選手に。そして見事、埼玉西武から1位で指名を受けた。

「子どもっぽい」素顔

ある日の金沢高校。教室に、齋藤選手の姿があった。この時間は、国語の授業。先生に「じゃあ、齋藤。国は出してくれますか、出してくれませんか?」と問われた齋藤選手は「出してくれません」と答えると、クラスメイトから「おー!」と歓声が上がった。ドラフトでは1位指名の齋藤選手だったが、先生からの指名には少し恥ずかしそうに答えていた。

クラスメイトに齋藤選手について聞いてみると、「同級生としてすごいなと思いますし、同じ同級生として悔しい気持ちもあります。齋藤よりもっと目立って世界羽ばたいていきたいんで」「いつもシャイで、本当に子どもっぽい。こうやってすぐ顔真っ赤にして。あとすごく優しいですしスポーツは野球に限らず何でもできます」と話してくれた。

授業を終えると「今から、室内練習場で練習です」と齋藤選手。野球部を引退してからもプロ入り後を見据え、下級生たちとの練習に参加。毎日欠かさず基本的なメニューを徹底している。「もっと力をつけて、1月に埼玉に行ったときに思ったよりもすごいなというか西武ライオンズからの想像を超えていけるような選手になりたい」

「侍ジャパンのショート」目指す

改めてドラフト1位指名について感想を聞くと齋藤選手は「本当に一番はびっくりしたという気持ちなので、でもそれだけ期待していただいているのでその期待には応えたいと思います」指名を祝福してくれた金沢高校のチームメイトの存在については「このチームに入って、この仲間と一緒に3年生とは2年半一緒に練習できたことで自分が成長できた。この仲間じゃなかったらここまで成長できていなかったと思うので仲間には感謝しかないです」と答えた。

指名当日はなかなか実感も湧かなかったという齋藤選手。ドラフト翌日には、西武の西口監督が指名あいさつに訪れていた。「西口監督はオーラがあるというか圧倒されたんですけど、これから一緒のチームとして戦っていく監督なので、この方を勝たせられるような選手になりたいと改めて思いました」と齋藤選手は話す。齋藤選手のショートの守備について西口監督は「守備についてはすぐにでも通用するイメージ」と評価していた。西武のショートと言えば7度のゴールデングラブ獲得の名手・源田選手の存在が大きい。齋藤選手も意識しないはずはない。「日本を代表するショートなので、自分も将来は源田選手のような選手になりたい」

最後に、プロでの目標を色紙に書いてもらった。「“日本一の遊撃手”です。高校時代から日本一の遊撃手というのを帽子のツバにも書いて絶対になりたいと思って頑張ってきて。でも高校では叶わなかったと思うので、プロという世界で必ず叶えたいと思います」どのような形で日本一ということを示していくのか聞くと「将来は侍ジャパンのショート。ゴールデングラブ賞を獲れるような遊撃手になりたい」と力強く語ってくれた。いつも仲間への感謝を忘れず、自らの目標へ突き進んできた齋藤選手。プロの舞台へと大きく羽ばたいていく。

(石川テレビ)

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