約1カ月後に迫ったクリスマスに花を添えるケーキにも値上がりの波が及んでいる。あるホテルでは、5号サイズのショートケーキを2023年は5700円で販売していたが、2024年は7000円に値上げを実施した。原因は卵の価格高騰が大きいという。さらには、カカオの原産地・西アフリカを見舞った水害などの影響により、深刻なチョコレート不足が発生し仕入れ価格が2倍になっているという。
卵の高騰…1月180円が11月280円に
川崎市のホテル内にある洋菓子店では、10月から6種類のクリスマスケーキの予約がスタートした。

ふわふわのスポンジケーキに北海道産の生クリームとイチゴを2層にサンド。これにイチゴなどを盛りつけ出来上がったのは、パティシエこだわりのショートケーキだ。
既に例年と同じくらいの予約が順調に入っていて、店には注文したクリスマスケーキ用のデコレーションが届き始めている。

川崎日航ホテル エグゼクティブシェフパテシエ・馬場園安秀さん:
クリスマスケーキはサンタさんのオーナメントやキノコのオーナメントを、このようにのせて、ちょっとデコレーションを変えてお作りしています。

街の人からも「毎年買っています。(今年も)いつも買っているところで買おうと思う」「やっぱチョコケーキかな。チョコケーキです」「孫と一緒に食べると思う。ちょっとぜいたくするんじゃないの。クリスマスだから」などといった声が聞かれたクリスマスケーキだが、気になるのは値段だ。
「(値段は)気になりますね。1000円くらい上がっていると思うので、ちょっと頑張って買おうと思っています。子供がいるので、喜んでくれるので」という声も聞かれた。
クリスマスケーキの値上がりの一番の原因は原材料費の高騰だ。

川崎日航ホテル エグゼクティブシェフパテシエ・馬場園安秀さん:
卵とかは年末に向けて元々去年すごく値上がりして、そのまま値段が下がらないまま年末に向けてクリスマス商戦とかあるので、どうしても卵は料理やお菓子には欠かせない食材。どんどん値段は上がっていくと思う。

ケーキ作りに欠かせない卵の高騰。取引価格を見ると、2024年1月にはMサイズの基準値が1kg当たり180円だったのに対し、11月は18日までの平均値が280円と100円も高くなっている。
10月には、2024年シーズン国内で初めて鳥インフルエンザの感染が確認されたことなども卵の価格を押し上げる要因の1つとなっている。
取材した店でも原材料費の高騰などを受け、クリスマスケーキの値上げに踏み切った。

2023年の5号サイズのショートケーキは5700円。しかし、2024年は7000円と1300円の値上げを実施した。
チョコレートの仕入れ価格は倍に
上がっているのは卵だけではない。

川崎日航ホテル エグゼクティブシェフパテシエ・馬場園安秀さん:
卵以上に全体のお菓子屋さんが危惧しているところはチョコレートがすごく値上がりしているところです。

カカオの原産地、西アフリカを見舞った水害などの影響により、深刻なチョコレート不足が発生している。これにより、1kg2000円前後だったチョコレートの仕入れ価格が、今は4000円を超えているという。
川崎日航ホテル エグゼクティブシェフパテシエ・馬場園安秀さん:
何もかもが高くなるのは、すごく心苦しいですけども、お客さまに「買って良かった」「また買おう」と思っていただける、お店でありたいなというのはこれからも変わらないと思います。
(「イット!」 11月18日放送)