9月から10月にかけて、関東で相次いだ“闇バイト強盗”。その被害宅の多くが、勝手口や窓のガラス部分を割られて押し入られていた。 

 一連の事件を受け、窓ガラスなどに貼る「防犯フィルム」が注目されている。全国に展開するホームセンターでは、10月前半に窓ガラス用防犯フィルムの売り上げが上がったという。

自宅のガラスを強化できる心強い防犯フィルムだが、実は“資格保有者”が貼らないと100%の効果が望めない、ということを知っているだろうか。 

日本ウインドウ・フィルム工業会 鳥養崇事務局長
日本ウインドウ・フィルム工業会 鳥養崇事務局長
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「防犯フィルムをご自分で購入してご自身で貼ることはお勧めできません」 

こう話すのは、ウインドウフィルムに関する調査や研究などを行う、日本ウインドウ・フィルム工業会の事務局長の鳥養崇さん。 

なぜ自分で貼るのが勧められないのだろうか。NGな貼り方とは?施工したいときはどうすればいいのか?また、防犯性能を表す「CP」マークの誤解についても詳しく聞いた。 

「四隅貼り」って何!?危険な貼り方をチェック

鳥養さんによると、防犯フィルムが十分な効果を発揮できない“ダメな貼り方”の例は、以下の4つだ。

(画像:日本ウインドウ・フィルム工業会提供)
(画像:日本ウインドウ・フィルム工業会提供)

(1)部分貼り
クレセント錠の周りの部分、小さな範囲にのみ貼る。

(2)帯貼り
窓の上下部分を残して、帯状に貼る。

(3)ドーナツ貼り
窓の中心部分を残して、縁取るように貼る。

(4)四隅貼り
窓の四隅とクレセント錠の周りに小さく貼る。

フィルムを貼っていない部分のガラスは簡単に割れてしまうため、割れた部分から侵入を許してしまう。また、割れた隙間から手を差し込んで開錠できてしまうため、鍵周りにのみフィルムを貼るというのもNGだ。 

「防犯フィルムは、ガラスの全面に貼るのが効果を発揮する正しい方法です。また、国家資格である『ガラス用フィルム施工職種(建築フィルム作業)1級・2級』の資格を持った技能士が施工をしないと、十分な防犯効果は得られません」