アメリカ大統領選で勝利したトランプ氏。
ウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談するなど、早くも次期政権に向けた準備を進める中、今注目されている1枚の写真があります。

それは大統領選の勝利後に撮影されたトランプファミリーの写真。
1月から始まるトランプ政権。写真に映るトランプファミリーはどう関わっていくのでしょうか?

明治大学 海野素央教授
明治大学 海野素央教授
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トランプ氏に詳しい、明治大学の海野素央教授に解説していただきました。

メラニア夫人は“息子ファースト”?

トランプ氏の勝利宣言後に自宅がある場所で撮られたとみられる写真を、トランプ氏の娘がXで公開しました。
しかし、家族の集合写真にメラニア夫人の姿はありません。海野教授によると、メラニア夫人は息子のバロン氏の子育てを優先したいと考えているそうです。

2024年9月にニューヨーク大学のビジネススクールに進学したばかりのバロン氏を支えるために、ホワイトハウスがあるワシントンと自宅があるニューヨーク行き来する生活を検討しているのではないかといいます。
さらにアメリカメディアは「24時間365日ファーストレディーを務めないことを取り決めた」と報じています。

8年前は「天使のよう」バロン氏の身長は2m超

写真でトランプ氏の横に写るのは、三男・バロン氏。トランプ氏の何を超えたのかというと、「身長」です。
バロン氏は現在18歳で身長2m6cm(トランプ氏は約1m90cm)。8年前、当時10歳の大統領選の頃は、演説中にあくびをするなどのかわいらしい姿が「天使のような美少年」と注目されました。

2024年5月、フロリダ州共和党が当時高校生のバロン氏を代議員の1人に選出しましたが、その2日後にメラニア夫人の事務所が「代議員を辞退させる」と発表。

MC 谷原章介:
これはどうしてですか?

明治大学 海野素央教授:
メラニア夫人は若いうちから政治に関与させたくないと思っているんだと。メラニアさんは東欧の方で非常に家庭を大切にしますから。そしてやはりトランプさんを見ていますから、息子には同じ道を歩ませたくない、それが本音だと思います。

新政権は“忠誠心ファースト”

倉田大誠アナウンサー:
これから誕生する政権で何がポイントになってくるのか?
海野さんによると“忠誠心ファースト”になるということですが、これはどういうことですか?

明治大学 海野素央教授:
第1次トランプ政権でトランプさんの意向に沿わない閣僚がいたわけですよ。セッションズ司法長官なんですけど。トランプさんは弾劾されましたよね。トランプさんは「弾劾を阻止しろ」って命令したんですが、その司法長官は関与しないと言ったので、トランプさんは「忠誠心がない」と思ったわけです。

MC 谷原章介、明治大学 海野素央教授
MC 谷原章介、明治大学 海野素央教授

そして解任して次にバー長官になったんですけど、彼は2020年の大統領選挙で「不正がなかった」と議会証言したんです。「これは忠誠心がない」と。しかも内部情報の暴露が相次ぎ、いまトランプさんは“忠誠心ファースト”、自分に対する忠誠心ファーストの人事を行う。これが第1次トランプ政権の失敗と教訓です。

次男の妻、ララ・トランプ氏は何者?

勝利宣言の際、トランプ氏から一番近いすぐ後ろに立ち、注目を集めていたララ・トランプ氏。

次男・エリック氏の妻で、アメリカ3大ネットワークの1つ「CBS」で報道番組「Inside Edition」の元プロデューサーです。
共和党の全国委員会の共同委員長にトランプ氏が自ら推薦し、「極めて才能あるコミュニケーター」と評しています。選挙中はピンク色のジャケットを着て、女性票集めに尽力しました。

明治大学 海野素央教授:
第1次トランプ政権ではイバンカさんが大統領補佐官に入りました。第2次は忠誠心が高い人を置きたいですから、そうするとララさん。ララさんは過去にも下院議員とか今回激戦州だった地元のノースカロライナ州で出馬するんじゃないかという話もありましたから、それも選択肢にあります。

初の女性首席補佐官にスーザン・ワイルズ氏

勝利宣言の壇上でスピーチを振られたのは、スーザン・ワイルズ氏。しかし、私は裏方だと言わんばかりにそれを拒否し、元の位置へと戻りました。決して自分は表に出ることはなく支える側なのだということがうかがえました。

フロリダで長く活動しているワイルズ氏は、 “当選請負人”という異名もあります。
トランプ氏も「史上最大の政治的勝利に導いてくれた」と評価し、女性初の首席補佐官に起用しました。
首席補佐官とは、大統領に最も近い相談役で、ホワイトハウスを取り仕切る政権の要です。ワイルズ氏は冷静沈着、組織陣営のエキスパートでトランプ氏は「アイス・メイデン(氷の乙女)」と称しています。

明治大学 海野素央教授:
ワイルズさんはトランプさんの怒りをそのまま受け止めることができる人って言われているんですよ。だからトランプさんの怒りに対して怖がらない。あるいはお世辞を使わない。そのまま受け入れて、こうやるともっと良くなりますよとアドバイスをしていると言われています。

イーロン・マスク氏は新政権No.2に?新組織で“クビ切り”担当?

選挙戦で多額の資金援助や応援演説を行ったイーロン・マスク氏。家族の集合写真にも入り、トランプファミリーの一員のように受け入れられています。

トランプ氏がウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談した際にも同席していたと報じられていましたが、一般人が大統領同士の会談に同席するのは異例中の異例です。

トランプ氏は「政府効率省」(トランプ氏に反対しそうな職員を排除する組織)を創設するのではと言われていて、イーロン氏はそこの初代長官に就任するのではと見られているそうです。

明治大学 海野素央教授:
第一にトランプ政権で内部の情報をリークした職員がいるので、その職員、そうやって民主党に忠誠心のある職員をクビ切るという狙いなんですよ。トランプさんがイーロンさんを大切にするのは「スターリンク」なんですよ。衛星通信網ですよね。ウクライナはそれで助かりましたから。ドローンでロシアを攻撃してますから。それが今回の交渉のカードになるじゃないですか。だからイーロンさんを大切にしてますね。
(「めざまし8」11月12日放送)