首都圏で相次いでいる強盗事件。

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3日も千葉県四街道市で50代の男性が暴行され、現金1万3000円が奪われる強盗致傷事件が発生、自称会社員の金子優汰容疑者(28)が強盗致傷の疑いで逮捕されました。

強盗に遭った男性の弟:
暴れる音と、文句言ってる声が聞こえて。殴られたというか、切れたというか、手をかまれたとか。俺が見たのは、兄貴が(男を)押さえながら。犯人は逃げたいもんだから(兄の)目の上をぎゅーっと。

事件の生々しい状況を語ってくれたのは、同じ敷地内の離れで寝ていたという被害者の弟。

強盗に遭った男性の弟:
(自分の寝室を)開けたら親が来て、「知らない人が入ってきてるから、警察に電話してくれ」って言うから、電話した。兄貴が(男を)押さえつけている間に、親は逃げたからけがもないし、助かった。
犯人は黒いパーカーを着て後ろに柄が入っていて、最後はパーカーを脱いでそのまま逃げましたね。

犯人の男は、被害者ともみ合いになった後、現金を奪い逃走したといいます。被害者の弟がその後を追いましたが、警察が来たため自宅に戻りました。

現場の近くの住民によると、現場から100mほど離れた場所で警察が男を発見し、確保したといいます。

強盗に遭った男性の弟:
そういう事件が起きてるっていうのは、ニュースで見てるから分かってるんだけど。まさかここまで、この田舎まで来るとは思わなかったですよね。

調べに対し金子容疑者は、「借金が増えて生活が困窮していた」と容疑を認めています。

また、金子容疑者は、指示役から通信アプリ「シグナル」で指示を受けながら犯行に及んでいたといい、警察は首都圏で相次いでいる強盗事件との関連性を調べています。

「指示するイメージない」リクルーター初逮捕

終わりが見えない、「闇バイト」が関連しているとみられる連続強盗事件。2日、一連の事件で初めて強盗の実行役を勧誘した「リクルーター」が逮捕されました。

実行役をそそのかして強盗を決意させた強盗致傷などの疑いで逮捕されたのは、愛知県の会社員・名倉優也容疑者(31)。

10月1日、埼玉・所沢市の住宅でこの家に住む85歳の男性が暴行を受け、現金16万円などが奪われた強盗事件で、名倉容疑者は事件の実行役3人にメッセージアプリを使い、強盗を決意させ、指示役に仲介した疑いなどが持たれています。

「人を紹介する仕事をした」「金に困ってやった」と供述し、さらに自身も「SNSで闇バイトに応募した」と話していることが分かりました。

捜査関係者によると、名倉容疑者はSNSで「ホワイト案件」「物品運びの仕事」「リスクはない」などの文言で、実行役を勧誘し指示役に斡旋。

さらに犯行の直前、実行役から「強盗するように言われた」と問い合わせがあった際、強盗を止めるのではなく、強盗するように促すメッセージを送っていたというのです。

名倉容疑者の中学時代の同級生は…。

名倉容疑者の中学時代の同級生:
やんちゃかおとなしいかと言われたら、おとなしい。あんま目立たない。
どちらかというと使われるっていう方が納得がいく。(誰かに)指示するってなるとそんなイメージはない。

名倉容疑者が担っていた「リクルーター役」とは一体どのような立場なのか。闇バイトに詳しい、犯罪ジャーナリストの多田文明さんは…。

犯罪ジャーナリスト 多田文明氏:
リクルーターという存在は、基本的に指示役とまめに連絡取っているはずなんです。例えば、こうした実行役がいたよということを、いわゆる上に伝える役ですので、まあより指示役に近い立場というふうには言えると思います。

実際に強盗を行う「実行役」より立場は上で、より指示役に近い存在だといいます。

元埼玉県警捜査一課警部補 佐々木成三氏:
発生から1カ月でリクルーター逮捕というのは早いと思います。なぜなら、名倉容疑者は現場に行っていないんですよ。SNSと匿名性の高いアプリでしかやりとりをしていない人物を、警察はこの1カ月で特定して逮捕にまで至っているわけです。
これは今後の組織の解明において、根元を絶つ上ではリクルーターの逮捕というのは大きいと思います。ただ、これがすぐ指示役につながるかというと、「闇バイトで応募した」といっているので、難しい部分もあるかもしれませんが、初めての人がリクルーターはできないと思うんです。実行犯とのやりとりで、どんなバイトなんですか?というのを説明しないといけない、何も知らないでは、リクルーターできませんので。非常に密に連絡を取っているというのは、ひとつの爪痕はあるのではないかなと感じています。
(めざまし8 11月4日放送)