皮膚に症状が現れたり、かゆみを伴ったりすることから皮膚の病気と思われがちだが、乾癬は全身の炎症性疾患。

体内にも疾患が生じていることもあり、「ただのかゆみ」などと放置することなく、病院で受診してほしいと小川さんは話す。

「受診せずに症状をコントロールできていない状態が長く続くと、重症化してしまうこともあります。重症化すると、例えば関節炎など生活の質を下げる合併症に発展してしまう可能性もあるのです」

大切なのは医師とのコミュニケーション

乾癬は人によって症状の現れ方も、重症度もさまざまで、医師による判断が必要になる。もちろん、乾癬かどうか、の判断も。

その際、どの専門医に診てもらうかだが、「まずは医師に診てもらうことを優先し、皮膚の異常があれば皮膚科に行ってください。普段から信頼するかかりつけ医がいる方は、その医師でも構いません。そこから専門機関に紹介してもらえる可能性もあります」と小川さんは話す。

乾癬は完治が難しく、症状がよくなったり悪くなったりを繰り返すことがある。そのため、多くの患者は症状の改善を望みながらも、長期間にわたる治療を続けることが困難となり、治療を中断してしまうことがあるという。

医師との円滑なコミュニケーションが前向きな治療につながる(画像:イメージ)
医師との円滑なコミュニケーションが前向きな治療につながる(画像:イメージ)

また、自分に適した治療法を見つけられずに諦めてしまうことも少なくないようだ。

治療のアプローチは、塗り薬や飲み薬、注射、光線療法などがあるが、患者それぞれの症状やライフスタイルで合う・合わないがある。

さまざまな治療法の選択肢と、人によっては長期的な治療の中で、ベストな選択をするためにも小川さんは「医師とのコミュニケーションの大切さ」を訴える。

そして、そのコミュニケーションで、患者の身近な人が間に入ることが、会話を円滑にすることもあるとアドバイスする。