ウクライナ侵攻中のロシアに、北朝鮮が兵士を派遣したという情報が国連安保理で議論され、各国から懸念が示された。
アメリカは、この行為が紛争拡大を狙っていると非難し、韓国も北朝鮮軍の即時撤退を求めた。
北朝鮮の兵士派遣をめぐり…「懸念すべき事態」と批判
ウクライナ侵攻を続けるロシアに、北朝鮮が兵士を派遣したとされる情報をめぐり、国連の安全保障理事会で各国から懸念が相次いだ。
この記事の画像(11枚)21日のニューヨークでの安全保障理事会では、北朝鮮の兵士派遣をめぐり、アメリカの国連大使がロシアの国連大使に対し、「紛争を拡大しようとしている」と指摘した。
そのうえで、事実であれば「危険で非常に懸念すべき事態だ」と非難している。
会合では、各国から懸念が表明されたが、ロシアは「恐怖をあおるデマ」などと否定した。
一方、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は22日、NATO(北大西洋条約機構)のルッテ事務総長と電話会談し、北朝鮮の特殊部隊約1500人が派遣されたことを確認したと説明した。
ウクライナを支援するための武器の供給も検討し、「決して座視しない」と強調した。
北朝鮮がウクライナ戦争から学習か
ここからは、フジテレビ・立石修解説委員室長が解説する。
青井実キャスター:
ーー北朝鮮が、ロシアに兵士を派遣しているとされる問題について、ロシアは安保理でこれを否定していますが、どう見ますか?
立石修解説委員室長:
ロシアは「デマ」と主張していますが、ウクライナの情報機関は、数日前に映像を公開しました。極東にあるロシア軍の基地で北朝鮮の兵士を撮影したものとウクライナは主張し、北朝鮮の兵士らがロシア側から軍服や食料を手渡されているシーンと説明しています。韓国の軍事アナリストなどによると、北朝鮮のアクセントで話しており、北朝鮮兵がロシアに投入された動かぬ証拠と主張しています。
青井キャスター:
ーー北朝鮮兵が、ロシアに派遣される目的は何なのでしょう?
立石解説委員室長:
北朝鮮がウクライナ戦争から学ぶことは多く、例えばドローン兵器の使い方など、韓国攻撃を想定し、実際の戦場でノウハウを得る目的があるかもしれません。
(「イット!」10月22日放送より)