「正直、今のままでは、まだ(世界で)メダルを獲ってない中途半端な人というイメージですし、まだそこです」

そして、五輪代表の座を狙いながら、友野は表現の面でも町田樹さんや高橋大輔さんのように突き詰めていきたいと話す。
「大ちゃんのスケートを見ると表現だけではない何か、スケートに向き合ってきたからこそ出る表現もあると思います。そして、僕は町田君もずっと見てきました。町田君は、世界選手権やオリンピックで最後の最後にそこを突き詰めて終えることができた。僕もそれが理想です」
今一番心の底から求めていること
「僕はまだオリンピックの舞台を経験していないし、世界選手権のメダルやGPファイナルも行っていない。それなりに認知されているし、試合も出ているけど、まだアスリートとしてのぼり詰めていない」
長年、結果を出すことを突き詰めてきたからこその、友野の言葉だ。

しかし、今シーズンの友野のギラギラしたその目は、例年と違って見えた。
「今までもたくさんやってきましたが、今が一番オリンピックを心の底から求めています。これだけヒリヒリする戦いができる1年半はないと思うし、その1年半を戦い抜く力を備えて、初めて『おれ、表現者』って言ってもいいと思っています。今はただ、“表現がうまいだけの選手”なので、競技者としても両立させていきたい」
ミラノの地が自分の人生を変えた
その五輪が行われるミラノは、友野にとって“縁”がある場所だ。