10月25日~27日に行われたフィギュアスケート・東日本選手権。
アイスダンスは、“うたまさ”こと吉田唄菜・森田真沙也組が優勝した。
北京五輪代表で長きにわたりアイスダンス界をけん引してきた小松原美里・尊組。
昨季の世界選手権出場を最後に小松原美里さんが現役引退を表明し、アイスダンス界は新たなフェーズに突入。
東日本選手権ではフレッシュな顔ぶれがそろった。
この大会に出場した選手達は12月20日から大阪・RACTABドームで開催される全日本選手権へ出場することができる。
結成2年目の“うたまさ”が2連覇達成
アイスダンスは出場した全4組が全日本選手権へ進出した。
優勝は、吉田唄菜・森田真沙也組。アイスダンスは東日本選手権と西日本選手権で交互に予選会が開催されており、去年西日本選手権で優勝した“うたまさ”は2連覇を果たしたことになる。
吉田は「世界ランキングもどんどん上げていかないと、来季に響いてくると思う。今季から出られる試合は1つずつ大切にして、しっかり結果も残していきたい」とすでに来季を見据える。
森田も「今シーズンはすごく大切なシーズンだと思うので、今後も練習を頑張りたい」と意気込んだ。
今夏行われたミラノ合宿にも参加した“うたまさ”。
ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪のプレシーズンとなる今季は、ネーベルンホルン杯で5位と世界の舞台でも成果を発揮し、今大会を迎えた。
この記事の画像(8枚)リズムダンスでは、2人の武器であるスピード感たっぷりの滑りを披露。
息ピッタリのツイズルで最高評価のレベル4を獲得し、70.77点をマークした。
首位で折り返したフリーダンス。
「去年とは違う内容のストーリ性や中身も全然違うものになっている」と2人は話すように、去年の『火の鳥』から一変し、今季のプログラムは『ロミオとジュリエット』。
持ち味であるキレのある動きとアピール力で男女の恋愛物語を2人の世界観で表現し、大会2連覇を達成した。
「まだ成長途中ですが、シーズンの最後にはもっといいものをお見せできるように頑張りたい」と振り返った吉田。
ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪を見据える2人の、2度目の全日本での演技に期待がかかる。
ケガの影響で初戦の“あずしん”
2位は田中梓沙・西山真瑚組。
小松原組も所属していたアイス・アカデミー・オブ・モントリオールで腕を磨く“あずしん”。
今年の夏ごろ、田中の右肋骨のケガの影響により今大会が初戦となった。
今季のリズムダンスのテーマは「1950、60、70年代の高いエネルギー」。
そのテーマにふさわしく、リズムダンスでは『September, Sir Duke /Land of 1000 dance』を披露。
曲調に合わせたディスコボールをイメージしたという田中の衣装が映える、ダンサブルな動きで会場を魅了した。
田中のケガのため本格的に練習を開始できたのは大会の3週間前だったようだが、それを感じさせないパフォーマンスで2位発進となった。
フリーダンスのプログラムは、一つの曲で前半と後半にガラッと曲調が変わるのが見どころの『エリーゼのために』。後半、西山の転倒が悔やまれたものの、息の合った2人の動きで2位に。
演技後に話を聞くと、「この大会に出るか出ないかをギリギリまで悩んでいた部分もあった。出場してリズムとフリーともに滑り切れてほっとしています」と西山。
田中は「まずは東日本大会の初戦を無事に終えることができてすごくほっとしています」と安堵していた。初戦を無事終えた“あずしん”は、全日本への切符を獲得。
全日本での目標を尋ねると、「優勝を目指して頑張ります」と力強く語った2人の演技に注目だ。
渡仏の経験が活きた“あやみつ”
3位は佐々木彩乃・池田喜充組。
今年、クラウドファンディングでフランスに渡り、約4カ月間、元日本代表のマリオン・デ・ラ・アソンションと平井絵己の元で指導を受けたという。
リズムダンスでは、クラブミュージックの曲調に合わせて、2人の武器である“大人の雰囲気”を存分に発揮。
フリーダンスでは、映画『プライドと偏見』のテーマ曲に合わせたラブロマンスの世界観を表現した。演技後半のコレオステップは、映画のシーンとリンクするよう情熱的に演じているという。
大会後には、「今年初めて海外に行って個人的にはすごくいいできで、すごく僕にとってはいい演技をみなさんにお見せできたなと思いました」と池田。
佐々木は、「技術面もそうですけど、考え方が大きく変わったシーズン。私としては気持ちや人間的にも成長できたかなと思う」と振り返った。
フランスで培った技術や表現力を全日本の舞台で発揮する。
今季結成カップルが全日本へ
4位は、久根下未暁・ルーシェ 聖夜 アレック組。
アメリカ出身の久根下と、カナダ出身のルーシェが今年カップルを結成した。
去年カリフォルニアからバンクーバーへ引っ越しアイスダンスを始めたことをきっかけに、カップルを組むことになったという。
久根下が身長170センチ、ルーシェは183センチと高身長を活かしたダイナミックな滑りを披露した。
結成間もない2人ながら、初の東日本出場で堂々の滑りを見せた。
「もっともっと2人でのスケートに磨きをかけることと、エレメンツももっとコンシステントに練習したいと思います」と、初の全日本へ向けて意気込んだ。
【アイスダンス】
1位 吉田 唄菜・森田 真沙也(木下アカデミー)174.47点
2位 田中 梓沙・西山 真瑚(オリエンタルバイオ)163.99点
3位 佐々木 彩乃・池田 喜充(日本大学・西武東伏見FSC)133.83点
4位 久根下 未暁・ルーシェ 聖夜 アレック(明治神宮外苑プレFSC)103.06点
■全日本までの道の詳しい概要はフジスケで!
https://www.fujitv.co.jp/sports/skate/figure/toJPN.html
※エントリーが出たら全日本への道の詳細が反映されます。
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