2025年3月24日にオープン予定の新たな広島駅ビル。開業まであと5カ月あまり、夜のライトアップが初めて一般公開された。広島の陸の玄関口として多くの人を迎える光に、どのような思いが込められているのか。
温かみのある上質な光に包まれて
来年3月開業に向けて工事が進められてきた広島新駅ビル。外観はほぼ完成に近づき、上空から見ると屋上広場の一面に茶色い床が現れた。映画館などの内装工事も行われ、雁木状の階段は着々とできあがってきている。

そして、新たに「夜のイメージ図」が公開された。

JR西日本・広島駅ビル工事所の田原潤一副所長は「温かみと上質さを感じていただけるように黄色がかった電球色を基本にしています。折りのデザインでできているゲート部分や真ん中の部分を白にして、シンボリックなところだけ目立たせる構成です」と話す。

落ち着いた配色に際立つ“白”がポイント。路面電車が乗り入れる2階部分の大きな屋根にも、白い電球色が採用されている。
光の演出プログラムが人々を魅了
開業への期待が高まる中、10月12日に“歓迎の光”を放つ試験ライトアップが行われた。

広島駅周辺には、その様子をカメラに収めようと多くの人が集まっている。

「おお~!」
点灯の瞬間、歓声がわき起こった。ライトアップの中央は広島を流れる「川」の水面をイメージし、「平和」を象徴する白い光。また、カープやサンフレッチェのチームカラー「赤」「紫」など8つの光が建物の外観を彩る。カラフルに変化する1回15分の光の演出プログラムが初めて一般向けに公開された。

ライトアップを見た小学生は「いろいろなグラデーションがあってとても面白かったです」と顔をほころばせる。

近くに住む人は「30分くらいで500枚は撮ったと思います。来年3月の開業で新しい人の流れができると思うのでそこに期待しています」と高揚した様子だった。
ロゴ看板も“メイドイン広島”
新駅ビル商業施設「minamoa(ミナモア)」のロゴも外観に設置された。

minamoaの「m」だけでも高さ1.2メートル、幅1.8メートル、重さは約10キロ。これまで「JR大阪駅」などの看板も手がけてきた広島市安佐北区の工場でつくられた“メイドイン広島”だという。

広島市民は「紙屋町エリアや駅周辺エリアは人が集うようになっているので、その辺がもっとつながって、人口減と言われているがそうならないようになったらいい」と期待を寄せている。
様々な思いや魅力が詰まった広島新駅ビル開業まであと5カ月あまり。開業後、どのような光の演出が採用されるかは未定ということだが、季節に合わせて演出を変えたり、カープやサンフレッチェが勝利した時にチームカラーを点灯させることも検討されている。
(テレビ新広島)