天皇皇后両陛下は10月5日、国民スポーツ大会の開会式に出席するため、佐賀県を訪問されました。
沿道には大勢の人が集まり、22年ぶりとなるお二人揃ってのご訪問を歓迎しました。

名称が「国民体育大会」から変更され、初めての開催となる「国民スポーツ大会」。

選手団は従来のような整列しての行進ではなく、踊りやご当地キャラなどで地元の魅力をアピールしながら入場しました。

両陛下は、選手たちの活気あふれるパフォーマンスに笑顔で拍手を送られていました。

陛下は、おことばで「新たな国民スポーツ大会の幕開けとして、ここ佐賀の地で、県民の皆さんを始め、多くの人々に支えられて開催されるこの大会が、長く心に残る、実り多いものとなることを期待し、総合開会式に寄せる言葉といたします」と述べられました。

ガラスでできた炎のモニュメントへの炬火(きょか)の点火や、選手宣誓の様子を見守られた両陛下。選手たちの健闘を願われました。

この日の夜、宿泊先の近くには約3500人の市民が集まり、提灯を揺らして両陛下を歓迎しました。

ホテルの部屋から、ゆっくりと提灯を振って応えられた両陛下。
地元の人たちの「提灯奉迎」を喜ばれたご様子でした。

翌日、国民スポーツ大会のバレーボール競技の会場へ。
白熱するプレーをご覧になり、陛下は「今皆さんはジャンプしてサーブするんですか」などと尋ねられました。

皇后さまは、パリオリンピックの男子イタリア戦を、愛子さまと一緒に興奮しながら観戦したことを明かされたということです。
この日の午後、両陛下は鹿島市にある肥前浜駅を訪ねられました。

この地域は江戸時代から酒造りが盛んで、古い酒蔵のある町並みの魅力を発信しています。

観光ガイドとして活動する地元の小学生から、街の歴史について説明を受けられた両陛下。

子どもたちが手作りした酒蔵通りの地図などをご覧になり、陛下は「どうでした、作るのは?」皇后さまは「醤油」という字を指さし「難しい漢字も上手に書けましたね」などと声をかけられました。

続いて、駅舎にある日本酒バーも視察し、酒蔵の若手後継者と懇談されました。
日本酒がお好きな陛下は「実は昨夜ホテルで頂きました。おいしかったです」と話されたということです。

様々な世代の人たちと交流し、温かい歓迎を受けられた両陛下。2日間の訪問を笑顔で終えられました。
(「皇室ご一家」10月13日放送)