衆議院が解散し、事実上の選挙戦に突入した。衆議院議員選挙は10月15日公示、27日に投開票される。「10増10減」に伴う広島県の小選挙区の区割り変更後、初の衆院選。有権者へどれほど浸透しているのか。
1つ減り、5つの選挙区でエリア再編
広島県の小選挙区の数はこれまでの7から「6」に減った。再編に伴って広島1区~5区はエリアが変わるが、唯一、新しい6区はこれまで7区だった福山市がそのまま6区となる。
エリアが変わった選挙区を確認していこう。
【広島1区】
広島市中区・東区・南区に、旧4区だった「安芸郡府中町・海田町・坂町」が新たに加わった。
選挙区の数が減ったためエリアが広がった選挙区が多い一方で、広島2区は逆に狭まっている。
【広島2区】
広島市西区・佐伯区・大竹市・廿日市市・江田島町を除く江田島市だったが、江田島市は2区から外れ、すべて4区に。
【広島3区】
広島市安佐南区・安佐北区、安芸高田市、安芸太田町、北広島町に、旧4区だった「安芸区」が加わった。
【広島4区】
今回の区割り変更で最も影響を受けたのが4区だ。新たな4区は呉市、竹原市、東広島市、江田島市、熊野町、大崎上島町。これまで4区の大票田だった「東広島市」と旧5区の大票田「呉市」が統合された。
【広島5区】
旧6区が主なエリアで、三原市の一部と瀬戸田町を除く尾道市、府中市、三次市、庄原市、世羅町、神石高原町だったが、「三原市と尾道市は全域」に拡大。平成の大合併で同じ市や町で選挙区が分かれていた問題は解消された。
【広島6区】
これまで7区だった福山市がそのまま6区となるため、選挙区のエリアに変更はない。
有権者への浸透は今ひとつ…
区割り変更は有権者にしっかりと伝わっているのだろうか。選挙区が変わる自治体に住んでいる有権者に聞いた。
4区から3区に変わる広島市安芸区在住の有権者は「わからない。知らない。4区とばっかり思っていた」「なんか変わるのは聞いています」など。知っていても「何区に変わるか」までは答えられない人もいた。
4区から1区に変わる海田町在住の有権者からは「全然知らなかった。投票に行くのは行くけど、あまり関心はない」「全然知らなかったです。ネットで調べられたら調べて、選挙に行きたいと思います」という声が聞かれた。
5区から4区になる呉市在住の有権者は「変わったからどうだっていう気もする。候補者の名前を見ただけではわからないでしょうからね」と話す。
話を聞いた有権者からは、今ひとつ浸透していないような返答が多かった。区割り変更への関心の低さがうかがえる。たしかに選挙活動をする候補者側への影響が取りざたされるが、本来、有権者の“1票の価値を平等にする”ための区割り変更。有権者にとっても1票を投じる候補者がこれまでの顔ぶれから変わる可能性がある。今一度、自分の選挙区について知り、さらに候補者の声に耳を傾ける必要がありそうだ。
(テレビ新広島)