衆議院は10月9日の本会議で解散し、事実上の選挙戦に突入した。鹿児島県内でも選挙戦に向けた各事務所の動きが慌ただしくなる中、現時点で予想される立候補者の顔ぶれと各陣営の動きについて取材した。

鹿児島3区は大臣を含む与野党対決

10月9日午後、解散した衆議院。石破首相就任から解散・総選挙までは戦後最短の日程で、事実上の選挙戦に突入した。

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この日テレビで解散の様子を見守ったのは、鹿児島3区で出馬を予定する立憲民主党前職の野間健氏の事務所だ。事実上の選挙戦スタートを受け、早速スタッフらが準備に追われた。

後援会の潟野修一さんは「全力でまっすぐに頑張っていきたいと思います。(相手は)非常に強い方ですので、こつこつ頑張っていくしかない。草の根で頑張っていきたいと思います」と話す。

2021年の前回選挙で、野間氏は自民党の小里泰弘氏との一騎打ちを制し、返り咲きを果たした。

一方、敗れた小里氏は比例での復活を果たし、石破内閣では農林水産相に選ばれた。今回も3区は2人の一騎打ちとなる見込みで、大臣を含む与野党対決は全国の注目選挙区になっている。

小里氏の事務所も解散を受け臨戦態勢に入った。小里氏の薩摩川内市後援会の新原春二会長は「相手はどうであろうと、小里泰弘の集大成で農林水産通の大臣として、力一杯、精一杯頑張っていきたい」と語った。

2区は保守分裂か 自民公認は保岡氏

一方、鹿児島2区でも動きがあった。衆院選鹿児島2区の自民党公認を巡っては、比例九州ブロック選出で2区の支部長を務める前職の保岡宏武氏(51)と、党籍はないものの、国会の自民党会派で活動する無所属で前職の三反園訓氏(66)の2人で意見が割れた。

保岡宏武氏(画像左)と三反園訓氏(画像右)
保岡宏武氏(画像左)と三反園訓氏(画像右)

自民党県連の吉留厚宏幹事長は、10月8日夜に野村哲郎選対委員長から「現職(注・10月8日時点)の支部長で党員である」という理由から、保岡氏を公認候補として推薦することを決めたと連絡があったと話す。

自民党の一部県議は三反園氏を推す声もあり、保守分裂の様相を見せる鹿児島2区。この2人以外にも、共産党・新人の松崎真琴氏(66)、日本維新の会・新人の辻健太郎氏(38)、参政党・新人の矢竹ゆかり氏(61)が現時点で立候補を予定している。小選挙区としては過去最多に並ぶ5人が名乗りを上げている2区は、保守分裂の様相を呈する波乱含みの激戦区となりそうだ。

この他、鹿児島1区は3年前の前回で勝利した自民党・前職の宮路拓馬氏(44)と、2024年4月に繰り上げ当選を果たした立憲民主党・前職の川内博史氏(62)、参政党の新人・昇拓真氏(34)の三つどもえの戦いとなる見込みだ。

鹿児島4区は自民党・前職で党の幹事長を務める森山裕氏(79)に、社民党・新人の山内光典氏(73)が挑む構図となりそうだ。

衆院選に向けた動き加速

事実上の選挙戦がスタートした中、9日は鹿児島県庁で立候補予定者説明会が行われ、鹿児島1区から4区での出馬を予定する12陣営の関係者が参加した。鹿児島県選挙管理委員会・前田和博委員は「法令にのっとった、選挙違反のない公正で明るい選挙を展開していただくよう、強くお願いする」と述べた。

会では県選挙管理委員会の担当者から、今後のスケジュールや提出書類・選挙運動の注意点などについて説明があった。

そして10日には鹿児島県警に衆院選の違反取締本部が設置された。県警本部の中野誠刑事部長は「違反取り締まりを通じた選挙の公正確保の寄与は警察の責務でもある。不偏不党かつ厳正公平な立場を堅持し、選挙の公正を著しく害する悪質な違反に指向した取締活動を推進していく」と述べた。

このように鹿児島でも衆院選に向け様々な準備が加速している。10月9日時点で鹿児島県内では1区で3人、2区で5人、3区で2人、4区で2人が立候補の意向を示している。その衆院選は10月15日公示、27日投開票される。

(鹿児島テレビ)

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