3日に静岡・浜松市で発生した、風速53mを超える竜巻とみられる突風。
現場では農業用ハウスが骨組みごと吹き飛ばされるなど、その被害の大きさを物語っていた。
これほどの突風が発生した原因は、専門家によると、太平洋からの湿った空気が運ばれ続け、積乱雲が非常に発達しやすい状況にあったことが考えられるという。

車が横転、建物の骨組みがむき出しに…

10月3日午後5時半頃、静岡県浜松市で風速53m以上の竜巻とみられる突風が発生した。

撮影された映像を見ると、車が横転し、骨組みがむき出しになった建物が、強風の凄まじさを物語っていた。

竜巻を目撃した人は、「え!やばい竜巻や!。ぶっ倒れてんのよ!やばくないかこれ!」「ハウス潰れちゃった」とパニックの様子だった。

被害は40件以上におよび、12歳の子ども1人が軽いけがをした。

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けがをした12歳の少年:
ガラスを踏んでけがをしました。ずっと痛かったです。

 けがをした少年の父親:
(被害の大きな部屋は)壁にガラスが刺さる、扉に瓦が貫通するわ、家中土砂まで入っちゃってるんで。その場にいたら命の危険っていうのはあったんだろうなって。

農業用ハウスが骨組みごと吹き飛ぶ…

なぜこの場所で、突風が発生したのだろうか。

「Mr.サンデー」は、専門家と共に被害を検証した。

別の突風をとらえた映像を見ると、画面左奥に黒い渦が見えた次の瞬間、農業用ハウスが、吹き飛ばされた。

その移動距離は、なんと約100m。

農業用ハウスは、骨組みごと飛ばされ、住宅にぶつかっていた。

その現場では、破壊され、斜めに倒れかかった家屋もあった。

なぜ、これほどの突風が発生したのか。

積乱雲が非常に発達しやすい状況

天気図にそのヒントがあるという。

高知大学 理工学部門 佐々浩司教授:
停滞前線の中に、ちょっと小さい低気圧ができていて。ちょっとこの浜松市の北側に持ち上がっているような状態なんですね。

これが、大気の乱れを生んだというのだ。

高知大学 理工学部門 佐々浩司教授:
太平洋から湿った空気が運ばれ続けているので、積乱雲が非常に発達しやすい状況にあったというふうに思います。そういう所で、今回も竜巻の親雲ができたのかなと。

突風が発生したほぼ同時刻のドライブレコーダーの映像を見ると、確かに、空をぶ厚い雲が覆っていたことが分かる。

依然として大気が不安定な状態が続いており、引き続き注意が必要だ。
(「Mr.サンデー」10月6日放送より)