衆院選の投開票日が10月27日と発表されたことで佐賀県では思わぬ混乱が生じている。これまで開票所として使われてきた施設が「全障スポ」の競技会場となっているためだ。自治体は代替施設の調整に追われている。

競技日程と重なり開票所がない

佐賀県では2024年10月5日から「国スポ」(国民スポーツ大会)が始まり、県内はスポーツの祭典開幕に向けて盛り上がっている。
「国スポ」のあとには「全障スポ」(全国障害者スポーツ大会)が10月26日から始まる。このため県内の多くの体育館などの施設が競技会場として使われる。

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ところが衆院選の日程が発表されたことで思わぬ混乱が生じている。10月15日に公示、27日に投開票の方針が発表され、「全障スポ」の競技日程と重なるためだ。

衆院選と競技の“同時対応”で混乱

佐賀・嬉野市の「嬉野市中央体育館」。これまで選挙の際にはいつも投開票所として使われてきた体育館だ。

佐賀・嬉野市の「嬉野市中央体育館」
佐賀・嬉野市の「嬉野市中央体育館」

しかし「全障スポ」では、この体育館は「ボッチャ」の競技会場として使われる。このため市は開票所として使用する代替施設の調整など対応に追われているのだ。

嬉野市選挙管理委員会の太田長寿事務局長は「開票所の確保が非常に難しい状況になっている。現在、他の会場を調整している」と代替施設の確保が厳しい現状を説明した。

簡単ではない“人員確保”

課題は他にもある。嬉野市はボッチャの会場に30人ほど職員を配置するため、投票所では12人が不足する見込みだ。人員の確保は簡単ではないと市の担当者はいう。

嬉野市選挙管理委員会 太田長寿事務局長:
なかなか最近は短期間で人を雇用するのが難しい環境にありまして、派遣職員を受け入れて人員の確保を図っていきたいと考えています

派遣会社へ委託して対応するのは初めてだという。

衆院選の影響を受けているのは嬉野市だけではない。佐賀県では、唐津市や基山町でもこれまで使っていた開票所と全障スポの競技会場が重なるため、他の施設での調整に追われている。

スポーツの祭典と衆院選の”同時対応”を求められる自治体は厳しい秋を迎えている。

(サガテレビ)

サガテレビ
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