“白い粉”の正体は「ブルーム」と呼ばれる「天然の蝋物質」。新鮮でみずみずしい野菜や果物の証しでもあるそうで、ブロッコリーだけでなく、ブドウの粒の表面などにも付着する。

国華園によると「ブルームは、植物が自分を守るために作るバリアのようなもので、水分の蒸発を抑える効果があります。食べる直前に洗い流してもいいですが、洗わずに食べてしまってもまったく問題なく、味や栄養には関係しません」とのことだ。
しかし「これは農薬ではないか?」という問い合わせを受けることもあり、国華園ではそのたびに説明しているという。

また、本来は新鮮さの証しであるブルームだが、その見た目を嫌う消費者も多いそう。
そのため、キュウリなどには「ブルームレス」と呼ばれる、ブルームが付きにくいように改良された品種も登場している。
「ブルームレスの品種は少し皮が厚いかもしれませんが、食味の差はそこまで大きくはありません。市場のニーズに応えるという意味では自然な流れだと思いますが、消費者に知識があれば本来必要のない改良でもあると思っています」
ブルームが農薬とは全くの別物であることはわかった。では、一部の消費者が心配するように、野菜の表面に農薬が残っているために、水を弾くということはあるのだろうか。